前回の続きで、今回はPart IV The Do-It-Yourself Mealとまとめです。
4-18 The Forest
もえさん:
この章ではキノコのちょっとした紹介をします。一番最後に残った食べ物の収穫のタイプは「Do It Yourself Meal」です。そのために、Pollanはガイドが必要です。この話をした時に、Pollanのガイドのような 食べるために生きている人も必要だという話をしました。キノコの話に戻りますが、キノコはモレル(にせ)の物や、猛毒な物がありま す。また、違う場所だとキノコの毒などの関係などが変わるそうです。さて、ちゃんとキノコ狩りはできるのでしょうか。それは21章 で。
渡辺:
パート4は、いよいよ欧米のご先祖hunter-gatherer(狩猟採集民族)の方法です。 肉を食べたければ自分(あるいは家族の誰か)が狩猟に行き、植物を食べたければやはり自分たちで森で採集をしなければならないので、「Do-It-Yourself 」というわけです。
いくらナチュラルだからとはいえ、現代社会に生きる我々がこの方法に戻ることはできません。けれども、Pollanがあえてこれらに挑戦した理由は次のとおりです。お分かりになりますよね?
I thought this meal might take me back to a time when the omnivore’s dilemma wasn’t as complicated, when we had a more direct connection with our food.
経験のないPollanは、食べ物が好きなあまり、真剣に狩猟とキノコ採集をしているイタリア移民のAngelo Garroにガイドを頼みます。
4-19 Eating Animals
もえさん:
ここではMeat Eater's Dilemmaについて習います。私はこのDilemmaとはとても 複雑だと思いました。なぜなら牛を食べるのは全然普通なのに、犬を食べると聞くと野蛮だと思うからです。私はこれは、単純な気持ちからできたものだと思います。
次の章ではイノシシ狩りをします。どうなるのかはお楽しみです。
渡辺:
肉を食べることについてのジレンマは、動物好きでしたら誰でも経験したことがあるでしょう。
この本で紹介しているピーター・シンガーはAnimal Right(動物権利擁護)の運動家として有名ですが、彼は動物が人間同様の知性があるとも、人間同様の扱いをされるべきだとも主張してはいません。彼の主張は、「動物も人間のように痛みを感じるし、苦痛を覚える(suffer)。人間へのsufferingが許されないのであれば、動物にもそうではないか」というところです。この本では語っていませんが、なぜ牛を食べることへの反対運動は少ないのに、犬やイルカについては感情的な論争になるのか、「やはり、人間と感情的なコネクションを持つことができる知性の高い動物に対しては、異なる感情を抱かずにはいられない。これは動物差別だね」といったことについて話し合いました。
ここでは、牛がどのように屠殺されるのかの説明もあります。
4-20 Hunting
もえさん:
いよいよイノシシ狩りをします。この章で一番心に残ったのはPollanがイノシシを仕留めてから の気持ちの移り変わりです。まず、最初はとてもうれしかったのです。それから家で写真を見た時、始めに自分が他の動物の死を喜んでい ることにとてもshameを感じました。でも、一番最初の狩りだったから、喜んでいてもおかしくないと思ったのです。私も 自分が狩りをしたらこのような気持ちになるのかと思いました。
渡辺:
ここはアクションがあってなかなか面白いです。特に、狩猟をあまりしない日本人にとっては、狩猟をする(男性)のメンタリティなどが興味深いところです。これまで一度も銃を撃ったことのないPollanでさえ、イノシシを撃ちとめたことに興奮と誇りを覚えます。それを彼が後で自己分析しているのが面白かったです。この心理について、もえさんと語り合いました。
4-21 Gathering
もえさん:
次はキノコ狩りをします。18章でも書いたように、キノコはとても手ごわい食べ物です。この章 でPollanはそのことがはっきりとわかります。まず第一にキノコが隠れている場所、これは「Hunter's Eyes」がないと見つけられない所です。それから、食べられるかどうかについてです。私はこの 章を読んでキノコについてもっと知りたくなりました。
渡辺:
私はスイスで現地の方と一度だけキノコ狩りをしたことがあります。その経験をもえさんに語りました。毒のあるものとそうでないものを見分けるために、大昔誰かが犠牲になった筈です。そうやって学んだ貴重な知識を、親から子供へと伝えて来たわけですが、スーパーですべての食材を買うようになった今、この貴重な知識を伝承することがおろそかになっています。それについても話し合いました。
4-22 The Perfect Meal
もえさん:
いよいよ最後の章になりました。この章ではPollanが一から料理をします。この章のタイト ルは「The Perfect Meal」ですがPollanは自分で料理は少し下手になってしまった、と書かれています。では何が perfectなのでしょうか。私はその満足さだと思います。自分で仕留めて、自分で作って、いつもの夕ご飯とは違う感覚がしたのだ と思います。
渡辺:
もえさんが語っておられるように、自分でHunting と Gatheringをした食材だけで作るフルコースディナーは、料理が完璧でなくても、彼が言うように自分が住んでいる場所と食べ物を一緒に集める仲間を含め、食べ物へのconnectionを感じたことなのだと思うのです。だから、The Perfect Mealだと彼は感じたわけです。
<まとめ Omnivore's Dilemma>
もえさん:
私はこの本を読んでから、まだ知らなかったことに色々気が付きまし た。たとえば私たちがトウモロコシで作られているということや、オーガニックの本当の意味などです。農場から食べ物を買うなど、こ れからもこの本で学んだ色々なことを私の食生活に活用していきたいと思います。この本は、私の食べ物についての知識の扉を開け、さ らにもっと知りたいという気待ちを湧き起こしてくれました。また、このような本を読みたくなりました。
渡辺:
もえさんと細かいことを語り合いながら読んだために、食べ物についてもっと深く考えるようになりました。これまでも、Whole Foodsに行っていたのですが、そこでも、牧草を食べている牛のミルクや肉を買い、なるべく地元の農家の野菜や卵を買うようにもなりました。
オーガニック食品で有名なWhole Foodsはテキサスに本拠がある国際的な営業をしている大企業ですが、それぞれの支店で地元の生産物を売っています。これはそれをPRするものです。
左は、ボストン近郊の私の町にある有名なファームスタンドです。独立戦争時代から第二次大戦ごろまで農家が多かったこの町も、今ではマサチューセッツ州でもっとも土地が高い町のひとつになっています。
多くの農家が消えて行った中、このWilson Farmだけがこうして未だに農業を続け繁盛しているのは、地元と直接繋がっているだけでなく、ボストン近郊の人々を呼び寄せる賢いマーケティングをしているからです。ここの卵の黄身がオレンジ色なのをずっと不思議に思っていたのですが、The Omnivore’s Dilemmaで鶏が牧草を食べているからだと分かったのが収穫でした。
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