ジャンルが異なるから正確に比較できないことを英語で"comparing apples and oranges"とか "apples to oranges"といいます。でも、審判のCrutcherはりんごとオレンジは少なくともフルーツだ、とファンタジーと歴史ノンフィクションの比較の難しさをぼやいています。
今日の取り組みはなかなか良い組み合わせです。歴史小説、米国の独立戦争時、黒人が主人公、語りが第一人称と共通点が沢山あります。 ParkはThe Astonishing Life of Octavian Nothingの第一巻The Pox Partyが2006年にNational Book Awardを受賞したときの審判を務めていますが、通常続編が期待はずれに終わることを考慮すると、第二巻のThe Kingdom on the Wavesをひいき目に見ることはないと公平な立場を説明しています。
月曜日からオーガナイザーで作家のChristopher CastellaniのA Kiss from Maddalenaをはじめこのワークショップにボランティアで講師あるいはパネリストとして参加してくれた作家の中から私がおすすめする作家と作品をご紹介してゆきます。以下は現在予定している作品です。Battle of Kids' Booksも続きます。お楽しみに。
そろそろ男の子向けのヤングアダルト本のご紹介を。この分野ははSF、 ファンタジー、冒険ものが多く、9-12歳向けの児童書とヤングアダルトの区分がつけにくいようです。同じ本でも異なる町の図書館で児童書扱いされていたり、YA扱いされていたりとばらばらです。また大人の読者が多いのにYA扱いされているものや、その逆もあります。 今日ご紹介するPercy Jackson & the Olympiansシリーズもそんな本のひとつです。ハリー・ポッターのように小学生から高校生くらいまで幅広い年齢層の少年に大人気で、すでに映画化(米国では2010年2月に上映予定)が進んでいます。シリーズ完結編の5巻が今年5月に発売されますので、今からスタートすれば上映までに全部読みきることができるでしょう。
作者Rick Riordanの息子にはADHDと学習障害があり、幼いころにその子が深い興味を抱いたのがギリシャ神話だった。ギリシャ神話の神にはADHDなところがある。その神と人間の間に生まれたdemigod(半神半人、ギリシャ神話に出てくるヘラクレスのようなヒーロー)にADHDがあるのは当然で、しかもそれは利点なのだ。そんな発想で息子のために物語を語り聞かせたのがPercy Jackson & the Olympiansシリーズのきっかけだった。
demigodが集まるCamp Half-Bloodなどハリー・ポッターに似た箇所は多いが、物語そのものはオリジナルなので気にはならないだろう。Harry Potterのほうが哲学的で大人にもアピールする深さがあるが、Percy Jacksonは子供がすんなりと親しめる冒険に満ちたファンタジーで、魔法の代わりにギリシャ神話の神々について知りたくなる子供が続出することが容易に想像できる。また、Harry PotterとPercy Jacksonの第一巻を比べると、Percy Jacksonのほうががぜん入り込みやすいし、読みやすい。 Harry Potterシリーズのレベルを期待せずに読めば、十分複雑で面白いシリーズである。
●ここが魅力! 著者のSarah Dessenは、初恋や家族問題などに揺れ動く思春期の少女の心情を描くのが得意な青春小説の大御所です。代表作をいくつか読みましたが、その中で私がもっとも優れていると感じたのがこのThe Truth About Foreverです。 Jasonという優等生の少年にマインドコントロールされて自分を卑下しているMacyは、たぶん女性であれば心あたりがあるでしょう。
音楽のように、ある作品が過去のある時期の思い出に重なり、タイトルを耳にするだけで懐かしく、そして切なくなることってありますよね。私にとってはDaddy Long Legsがそんな本です。今日、偶然このタイトルにぶつかって、子どものころ胸をときめかせた感覚が蘇りました。赤毛のアンのように、「いっしょうけんめい勉強して、心優しく、前向きで、けれどもユーモアのセンスがあって、他人とはちょっと違う女性になったら、いつか素敵な人が現れて愛してくれる」と夢見させてくれた本です。今の子にもこういうロマンスを読んで育ってほしい、なんて思うのは年寄りになった証拠でしょうか。
著作権が消滅していますので、無料で読むことができます。アニメや日本語版でしかDaddy Long Legsを知らない方にぜひ原語で読んでいただきたい作品です。チャーミングなJerusha Abbotの語り口につい引き込まれてしまうでしょう。今読み返しても、ドキドキするエンディングです。
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