引き続きバトルの中間報告です。ここから入った方はこちらを。バトルのサイトはこちら。審判は邦訳もされているホエール・トークなどスポーツ、人種差別、児童虐待を扱う青春小説の第一人者Chris Crutcherです。
いよいよ決勝に勝ち残る最後の本が決まる準決勝第二マッチです。それぞれの本についてはThe Hunger Gamesの第一ラウンド、第二ラウンドの取り組みと、The Lincolnsの第一ラウンド、第二ラウンドの取り組みを参考にしてください。
ジャンルが異なるから正確に比較できないことを英語で"comparing apples and oranges"とか "apples to oranges"といいます。でも、審判のCrutcherはりんごとオレンジは少なくともフルーツだ、とファンタジーと歴史ノンフィクションの比較の難しさをぼやいています。
これまでの審判誰もが認めるように、The Lincolnsはすべての子供に読ませたい、読ませるべき本という感じです。ふだんファンタジーを読まないCrutcherにとってThe Hunger Gamesという「ファンタジーを読まねばならない」という義務は負担だったようですが、読後の感想は、「(主人公の)Katnisの語りは完璧。人物描写とアクションのバランスも完璧。人間関係は複雑で説得力があり、常にストーリーを前に進めてゆく。まさにずば抜けた冒険小説」と激賞しています。
興味深いのは、Crutcherが「われわれ作家の仕事は、子供に本を読ませること。The Hunger Gamesは多くの子供に本をよませるだろう」と、児童書と作家について先日の審判とは根本的に異なる姿勢を持っていることです。
社会問題を多く取り入れた作品を書くCrutcherだからこそ、この言葉には重みがあります。
ということで決勝戦に進出したのはこれ(優勝の本命なので決勝戦までに読み終えます)...。
決勝はThe Astonishing Life of Octavian Nothing第二巻とThe Hunger Gamesです。読者の人気と面白さから判定すれば間違いなくThe Hunger Gamesですが、それは審判しだい。審判は、私が先週末に会った児童書作家の女王Lois Lowryです。
来週はLowryの作品もご紹介します。お楽しみに。
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