ついに一回戦の最終取り組みとなりました。
Battle of Kids
Books 明日の取り組みはこれ、
対戦:Tales from Outer Suburbia vs. When You Reach Me
Tales from Outer Suburbia
対象:小学校中・高学年から大人まで
これについては、詳しいレビューを書いていますから、そちらをどうぞ
When
You Reach Me
対象:(一応)ヤングアダルト。でも小学校高学年から読んでも大丈夫
時は1979年、小学校6年生のMirandaは弁護士事務所で働く母とニューヨーク市の小さなアパートで暮らしている。同じ建物に住む少年Salと幼い頃から親友だったのに、突然SalはMirandaから離れて行ってしまう。その前後からMirandaの周囲で不思議なことが起こり始める。まずは奇妙な行動を取るホームレスの老人が出現し、見知らぬ少年からSalが殴られ、アパートの鍵が紛失し、Mirandaあてに未来を予告するメモが届く。
Mirandaの愛読書は60年代に出版されたMadeleine L'Engle著のSFのクラシックA Wrinkle in Timeで、When You Reach Meでは、この本が重要な役割を果たしている。
謎めいた雰囲気だけでなく、親友を失った寂しさや、学校での人間関係の面倒さ、ちょっとした初恋の気分、などこの年齢に特有の感覚をよく表していている。軽く読めて、胸が暖かくなる(一応)SF。
今年のニューベリー賞受賞作品
明日の予測
これはもう、完璧にアンフェアな対戦です。自分のことではありませんが、悔し涙。だって、このどちらも非常に優れた作品だからです。なんで、他の本(たとえば一昨日のだる〜い対戦とか)たちと闘ってくれないわけ?と不満たらたらです。
普通に考えたら2010年ニューベリー賞を受賞したWhen You Reach Meの勝ちです。でも、普通ではないのがこのBattle of the Kids Books。去年も大賞受賞作品のThe Graveyard Booksが一回戦で敗退してますからね。
稀な芸術的作品という意味では、Tales From Outer Suburbiaです。けれども、この作品の問題は児童書であって児童書ではないことです。つまり、きちんとしたストーリーがなくて小学生の子どもを混乱させる本なのですよね。Outer Sburbiaを熱狂的に愛する読者はたいてい大人です。School Library Journalのバトルは図書館で子どもに薦める本を念頭に置いていると思うので、そうなると子どもが共感できて感動するWhen You Reach Meが勝つべきです。
これはもう審判Julius Lesterの心理を分析するしかありません。
Lesterは黒人差別、奴隷の歴史、などのシリアスな本から心温まる寓話のような話も書いています。これから判断するのは、やっぱり無理ですね。地元マサチューセッツの作家ですから、会って「どっちにするの?」と尋ねてみたいものです。彼はニューベリー賞はオナーを受賞していますが、大賞は受賞していません。そのあたりの心理からは、もしかするとunderdogを応援したいという心理が働くかも。
大胆になってみようかな?それとも、子どもに推薦するという観点から選ぶべきか...
悩みに悩み、苦悩したうえで、私は昨日の失敗から学んだ知恵を活かそうと思いました。つまり「深読みしないこと」
そこで、「小学生が共感できて愛せる本」として次の本を選びます。
When You Reach Me
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