「これを読まずして年は越せないで」賞のノミネート作品を、本日から9回にわたって4作ずつ紹介してゆきます。公平になるようにアルファベット順にいたします。
またせっかく2009年の賞ですから、2008から2009年にかけて出版されたものや映画化などで話題になったものにはつけさせていただきます。
本日のノミネート作品と推薦者
A.Lincoln by Ronald C. White, Jr.
shojiさん
The Alchemist By Paulo Coelho
ピアレス ゆかりさん
Animal Farm by George Orwell
コニコさんのお嬢さん
Blink By Malcolm Gladwell
ピアレス ゆかりさん
A.Lincoln by Ronald C. White, Jr.
2009年1月に発売された新しいリンカーン大統領の伝記で、非常に良く書けているという評価が高い作品。
推薦者shojiさんの推薦文
貧しい少年時代から政治家としてのさまざまな挫折、上院選に立候補して
行った対立候補者のダグラスとの歴史的なディベートや大統領になってか
らの南北戦争の好転しない戦局などが描かれています。そういう状況の中
でもユーモアのセンスで相手を楽しませたリンカーンのひととなりを知る
ことができます。
The Alchemist By Paulo Coelho
推薦者ピアレスゆかりさんの推薦文
ブラジル人作家のCoelhoの著作を読むのはこれが初めてで、正直名前もよく知らなかったのですが、ベストセラー作家なんですね。彼の著作は150ヶ国語に翻訳されているとか。でも、正直言って、参加しているブッククラブの「今月の本」に選ばれてなかったら実際に自分ではまず選ばないだろうなあという本でしたが、読んでみて正解でした。
ストーリーは、とある羊飼いの少年がピラミッドの側で宝物を見つける夢を見たことからはじまります。夢が気になった少年は、ジプシーに相談に行き、そこで「おまえはピラミッド目指してエジプトまでその宝を探しに行くべきだ」と伝えます。そしてその後の少年の旅の様子が書かれるわけですが、もちろん途中で彼は色々な人と出会うことになります。
全体的なストーリーは、ある意味おとぎばなしのようなのですが、シンプルな文章の
中に、はっとさせられるような意味が隠されていることが多々あります。個人個人が持っているというPersonal Legendとは何か。そして、それを見つけるためにはどうすれば良いのか。下手するとはたと本を置いて自分の人生についてじっくり考えてしまいそうな本です。とにかく奥が深い。
最後まで読んでみて初めてなるほど〜!!!と唸りたくなるようなエンディング。
我がブッククラブでは、この本の感想のディスカッションで大いに盛り上がりました!
Animal Farm by George Orwell
1984年とならびジョージ・オーウェルの代表作として知られています。ここに登場する動物が主人公のディストピアはロシア革命を元にしています。ですからそういった歴史を知らないと面白さがいまひとつ伝わらないかもしれません。私が好きなquoteは"ALL ANIMALS ARE EQUAL, BUT SOME ARE MORE EQUAL THAN OTHERS"です。(渡辺)
推薦者はコニコさんのお嬢さんです。
Blink By Malcolm Gladwell
推薦者ピアレスゆかりさんの推薦文:
Outliersで大人気、そして今秋にはWhat the dog sawという過去の記事をまとめたエッセイ集も売れているMalcolm Gladwellのこれは2冊目の著書です。
Blinkとは瞬きをするような一瞬のことですが、この本は、人間の一瞬のカン、そし
てその時にどのような判断を下すのか、そしてそんなごく一瞬に下した決断が正しい場
合と間違っている場合について詳しく解説しています。彫刻などの美術品の贋作を一目で見破るプロや、罪の無い一市民を一瞬の勘違いで射殺してしまった警官のエピソードなど、彼独特のユーモアあふれる、フレンドリーな文体で、ついつい引き込まれてしまいます。
ノンフィクションですが、堅苦しくなく、とても興味深い本です。
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