Goodreadという読書に関するソーシャルネットワークで(現時点で)約2300人が投票している「Best science fiction books」のトップ5(といいながらボケて6つ載せてしまいました)です。
1. Ender’s Game
1985年に出版され、1991年に現在の政治状況に合わせるために改訂された。
未来の地球。異星人Formics(昆虫のような生物なのでBuggersとも呼ばれる)との2度の戦争をなんとか生き延びたが、将来の侵略が予想される。将来の戦争でのコマンダーを養成するために、世界中から最も優れた才能を持つ子供たちが選ばれ、幼いときから家族から引き離されて養成学校で戦いと戦略のトレーニングを受けるシステムができていた。主人公のEnderはその中でも飛びぬけて優秀であったが、それゆえに孤独を味わう。
ネビュラ賞とヒューゴ賞の両賞を受賞した作品。
読みやすさは★★と★★★の中間。文章はさほど難解ではないが、SFなので造語が多く、状況をつかみにくい可能性がある。
2. Dune
1965年出版で、ヒューゴ賞受賞。また、当時新設だったネビュラ賞の最初の受賞作でもある。
2000年後の未来、人類は宇宙に散らばり、多くの惑星に居住するようになっている。砂に覆われた惑星アラキスには、全宇宙を支配する力を持つメランジと呼ばれるスパイスがある。このスパイスをめぐる闘いと革命などここでは到底まとめられない非常に壮大なシリーズ。
読みやすさは★★。状況がつかめるまでは、読み進めるのが困難に思えるだろう。
3. The Hitchhiker’s Guide to the Galaxy
1978年にBBCのラジオ番組で放送されたのがオリジナルで、その後舞台劇になり、1979年から1992年にかけて5冊のシリーズが出版され、テレビ、コンピューターゲーム、映画といろいろな形に変貌している。SFといってもコメディSFで、この種のユーモアが好きな人にはものすごく可笑しいけれど、この種のユーモアが理解できない人にはどこが良いのかわからないSFであろう。(私はダントツ面白いと思う)。
読みやすさは★★★。ただし、ジョークを理解するには英語そのものよりも文化を理解しておく必要があるだろう。
4. A Winkle in Time
児童書。時空を曲げてトラベルするというもので現在でも小学校高学年から中学生に非常に人気がある。
読みやすさはこの中でももっとも簡単で、★★★と★★★★の中間。ページ数も上記に比べると少ない。
5. 1984
1948年に書かれた「近未来もの」。"Big Brother"がコントロールする社会については、あらゆるアートで使われているのですでにここで書く必要はないと思うが、それゆえ読んだことのない人は一度目を通しておくとよいかも。
読みやすさは★★と★★★の中間。難しい単語があるというわけではなく、現代人にとってまだるっこしい文章かもしれないから。
6. Fahrenheit 451
ブラッドベリの代表作として知られている。
これも「近未来もの」。未来の社会では本を読むことも所有することも禁じられている。これも1984と同じようによく引用されたり、パロディとして使われたりするので、一度は目を通しておくとよいかも。読みやすさは★★★程度★★と★★★の中間。薄いのですぐに読める。ブラッドベリは、読みやすく簡潔。
いずれもクラシックです。私くらいの年齢のSFファンなら懐かしさに胸が熱くなる、ハインラインのStranger in Strange Landが8位、アシモフのFoundationが9位、カート・ヴォネッガットJrのSlaughterhouse Fiveが14位、アーシュラ・K・ル=グゥインのThe Left Hand of Darknessは19位です。
それにしても、最近の作家のSFがあまり上位に見当たらず、あっても?な作品なのは、現在SFよりもファンタジーのほうが元気だということなのだと思います。それに、ボーダーラインが薄れてきているような気もします。
コメント
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