Michael Henry Heim (著, 翻訳),
Rotraut Susanne Berner (イラスト)
264ページ(ペーパーバック)
Holt Paperbacks
小学校高学年から中・高校生/数学が好きになる本
娘が通っていた小学校は、米国にありますがアジア系が多く、中国系の方が経営している公文式に幼稚園前から通っている子が沢山います。そういった子は計算が速いので、私の娘は小学校低学年の頃「私は数学(こちらでは算数、数学とは分けない)ができない」と自信を失っていました。そこで私は「速く計算できることは数学ではない。お母さんが後に証明してみせますから、安心していなさい」と保証しました。
娘の小学校では4年生になると父兄が主催する数学チームがあります。マサチューセッツ工科大学で数学を専攻したお父さんにリクルートされ(「誰だってできるから」と何度も説得されて)、私も指導のお手伝いすることになりました。この数学コンペは、数学というよりもゲーム感覚で本当に楽しい内容です。もともと面白い発想をするのが得意な娘はあっという間に難問の虜になり、このチームで年間最高得点を取ってトロフィーを受け取ったのでした(高校生の今でも数学は得意です)。
そのとき子供達に指導した内容に似ているのがこの本、The Number Devilです。
数学が苦手な小学生ロバートのもとに「数の悪魔」が訪れます。そして12夜にわたってロバートに数学の面白さを教える、というものなのです。今でも数学を日常的に使っている方や理数系の方を除くと、私のように数学のことはすっかり忘れているのではないでしょうか?そんな人が読むと、「そういえば、数学って面白かったよな」と娯楽として読めます。また、数学が苦手な方には、数に親しみを持つきっかけにもなるでしょう。
また、洋書にトライしたいけれども、「小説が苦手」とか「読解レベルが高くないが、幼い子供用のものは読みたくない」といった方に、この本はぴったりです。英語が非常にシンプルでわかりやく、内容は大人が十分楽しめるものだからです。
洋書ファンクラブJr. で読書プログラム参加者のMoeさんがレビューされていますので、それもご参考にしてください。
●読みやすさ 簡単レベル高校英語をマスターした方であれば(多少分からない単語が出て来ても、前後で推察して)辞書なしで読める筈です。
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