「これを読まずして年は越せないで」賞のノミネート作品を、先日から9回にわたって4作ずつ紹介しています。今日はその第5回。公平になるようにアルファベット順です。
でも、せっかく2009年の賞ですから、2008から2009年にかけて出版されたものや今年映画化などで話題になったものにはつけさせていただきます。また長めの推薦文は別ページにリンクいたしましたのでよろしくお願いします。
本日のノミネート作品と推薦者
The Namesake by Jhumpa Lahiri
点子さん
Nocturnes by Kazuo Ishiguro
点子さん
コニコさん
Olive Kitteridge by Elizabeth Strout
sosoraraさん
Outlander by Diana Gabaldon
とら次郎さん
作品紹介
The Namesake by Jhumpa Lahiri
2003年の作品で、私にとってはけっこう思い出深い作品です。というのは町全体で1冊の本を読むブッククラブでこの本が選ばれ、それに引き続き移民の経験を語り合うパネルディスカッションの企画のみならずパネリストにまでなってしまったという経験があるからです。この作品ではインド人移民の子供が主人公ですが、私の町のディスカッションではアジアだけでなく欧州からの移民と2世、70代の高齢者から中学生までバラエティをもたせたのでした。私がパネリストに招いた女子中学生にこの本を貸したら見事にボロボロになってもどってきました。それほどよく読んでいただいたということなのでしょう。
推薦者点子さん の推薦文
文豪にちなんで「ゴーゴリ」と名づけられた、インドからアメリカに渡った夫婦の間に生まれた男性の物語です。ゴーゴリ本人を中心に、その両親、妻の物語でもありますが、異国で生きようとする人々の姿を、静かな筆致でつづり、しみじみした味わいがあります。
Nocturnes by Kazuo Ishiguro
米国では2009年9月発売。
推薦者点子さんの推薦文
タイトルの示すとおり、音楽と夜にまつわる短編が5つ集められています。どれもかなえられない夢をかかえた人たちを、いつもの静謐な文体でしみじみと、また時には珍しくコミカルに描いています。
イシグロファンとしては、「イシグロ節」が薄れた感じを物足りなく、寂しく思う面もありますが作者の新しい試みとして、また今年読んだ中ではやはり秀逸として、推薦したいと思います。5編は独立したお話ではありますが、最初の Crooner で少し出てきた人物がまた4つ目のNocturneでは中心的な人物として登場しているなど、5つの作品をひとまとまりの中篇として考えると、また新たま感慨が生まれます。
推薦者コニコさん の推薦文
実はまだこれは未読ですが、今年中に読みたいなと思っている本です。彼の短編、それも音楽がキーワードになっているのなら、読みのがせません。
私のレビュー
Olive Kitteridge by Elizabeth Strout
2008年9月発売。2009年ピューリッツアー賞受賞作
私のレビュー
Outlander by Diana Gabaldon
推薦者とら次郎さん の推薦文
私のレビュー
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