パブリッシャーズウイークリー、ニューヨークタイムズともに先週から大きな変化が見られないために、今週は児童書のベストセラーをご紹介します。
1. The Tale of Despereaux
9~12歳対象。映画化されたために再び人気が出た作品。ねずみが主人公だが愛と裏切りなど児童書としては複雑な心理を描いたもので、大人が読んでも面白いロングセラーである。
2. 39 clues: One False Note
9~12歳対象。シリーズは全部を読みきると謎を解くClueが39になる。次の巻が出るまでに子供たちはカードを集め、オンラインで10万ドルの賞金をかけたゲームに参加できる。巻により異なる人気児童作家が書くという方法も斬新。
3. Brisingr
ヤングアダルト。映画化されたドラゴンものファンタジー「Eragon」をPaoliniが書いたのは彼がたった15歳のとき。これは第3巻。読了した娘によると、文章力は上がったが、闘いの場面が多すぎるし、長すぎるのが難。けれども面白いのは面白いとのこと。
4. 39 clues:The Maze of Bones
9~12歳対象。39 cluesシリーズの第1巻。
5. The Book Thief
ヤングアダルト。第二次大戦下のドイツを舞台に、孤児の少女とその養父母、彼らがかくまったユダヤ人青年、ナチスに傾倒する体制を憎みルールを破り続ける少年の心に迫る物語。語り手が死神であるというのは、児童書としては変わった趣向。長期にわたってベストセラーを続けている。
6. Thirteen Reasons Why
ヤングアダルト。少年クレイは、自殺した同級生ハナーからのテープを受け取る。そこにはなぜ彼女が自殺したのかその理由がこめられていた。思春期の子供が何気なく取る無責任な行動が与える影響について、読者に深く考えさせる。
7. Inkdeath
Inkheart trilogy の第3巻。魔法の世界を描くファンタジー。
8. The Hunger Games
ヤングアダルト。近未来もの。24人のティーンがリアリティTVショーで闘い、生き残った者は富を得るが、残りの者には死しかない。バイオレンスとホラーに満ちた本で、人気が高い。
9. The Boy in the Striped Pajamas
ヤングアダルト。第二次大戦下のドイツ。ドイツ人少年が強制収容所のユダヤ人少年と出会い友情を育む。映画化された感動的な作品。
10. The Mysterious Benedict Society
9~12歳。Mr.Benedictに選ばれた天才児たちは、地球征服のサブリミナルメッセージを送っていると思われるMr. Curtainを阻止するために彼の営む学校に送り込まれる。
謎解きやプロットの複雑さは、大人でも楽しめるとのこと。
(これについては問い合わせが多いので、近日中に読了して書評を「洋書ファンクラブ」のほうに載せます。お楽しみに)3月4日アップ
11. The Graveyard Book
9~12歳。幽霊たちに育てられ、暗殺者から命を狙われる少年のアンダーワールド冒険物語。Gaimanらしいホラーと(微妙な)ユーモアで、彼のファンは大人でも楽しんでいる様子。
12. Slam
ヤングアダルト。15歳のサムは、スケボーが好きな普通の少年。だが、ガールフレンドが妊娠して気楽な世界がすっかり変わってしまう。「About a Boy (1988)」と「 High Fidelity (1995)」で有名な作者は、もともと少年のまま大人になれない男性を描くのがうまかったので、ヤングアダルト作品も無理なく描けているようだ。
13. The Invention of Hugo Cabret
9~12歳対象。すでにマスターピースとして長く残るといわれている作品。19世紀末にパリの駅に住む少年Hugoのサバイバルストーリー。
14. The Luxe
ヤングアダルト。19世紀末のニューヨークの上流社会を舞台にしたメロドラマ的ロマンス。歴史ものの形を取っているが、内容はほぼ「ゴシップガール」のようだ。高校生の少女に大人気。
15. Identical
ヤングアダルト。一卵性双生児(Identical)の女の子2人を主人公に、セックス、ドラッグ、家庭問題など思春期の少女に特有の社会心理的な問題をテーマにしている。
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