著者:Rachel Hartman
ハードカバー: 608ページ
出版社: Random House
ISBN-10: 0375866574
発売日: 2015/3/10
適正年齢:PG12(中高生対象)
難易度:中〜上級(ファンタジーに慣れていれば文章は簡単)
ジャンル:YAファンタジー
キーワード:Seraphina、ドラゴン、ドラゴンと人間のハーフ、戦争、魔法、ラブストーリー
ドラゴンと人間が共生する中世のような世界を舞台にしたYAファンタジー Seraphinaの続編で完結編。
ドラゴンと人間の間の協定が結ばれ、しばし平和が続いていたGoredd王国だが、ドラゴンの内戦で危機が訪れていた。(これまでのストーリーは、Seraphinaをどうぞ)
人間が到底太刀打ちできないドラゴンに対抗できる鍵を握るのは、特殊な能力を持つドラゴンと人間のハーフだ。その一人Seraphinaは、幼い時から心の中の庭にグロテスクな住人たちを住まわせていた。実は、彼らはこれまで彼女が出会ったことがないドラゴンと人間のハーフたちだったのだ。Seraphinaは、彼らを探す旅に出る。
前作のSeraphinaは、数々の賞の候補作になり、ベストセラーにもなった。
ベストセラーになっている多くのYAファンタジーはロマンス中心なので、もっとオールドファッションなハイファンタジーに近いSeraphinaはこのジャンルでは新鮮だった。
ドラゴンと人間の共生というテーマや政治的な背景、自分が忠誠を誓う若い王女の許嫁である王子との許されない恋、という設定もなかなか良い。(よくある三部作ではなく、二部で終わるところもいい)
だが、残念なことに、すべてが中途半端に終わってしまっている。ラブストーリーは、まるで恋を体験したことがない中学生が書いたような感じだし、政治的な駆け引きも似たような感じだ。
けれども、それは私がいろんな本を読みすぎているからかもしれない。
ファンタジーの世界にまだ親しんだことがない中学生の少女には、恋愛重視のYAファンタジーよりもずっとお薦めできる。また、その年代にはちょうどよいレベルのファンタジーであり、冒険物語であり、ラブストーリーである。
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