著者:Ann Brashares
ハードカバー: 256ページ
出版社: Delacorte Press
ISBN-10: 0385736800
発売日: 2014/4/8
適正年齢:PG12 (中学生以上)
難易度:中級レベル(SFが苦手な人には状況がつかみにくいかもしれない)
ジャンル:SF(タイムトラベル)、YA(ヤングアダルト)、ロマンチックスリラー
キーワード:タイムトラベル、環境問題、エネルギー問題、ディストピア、禁じられた恋
環境が破壊され温暖化が進んだ未来では、テクノロジーは後退し、飢餓も蔓延していた。それに加えて、蚊を媒体にした疫病が流行して多くの人々が命を失った。その絶望的な未来から、タイムマシンで過去に逃げ延びた集団があった。その集団に混じって過去に到着したときには12歳だったPrennaは、いまでは17歳になっていた。
Ethanは、Prennaたちが隠していた真実を嗅ぎ当て、集団とは別に未来からやってきた謎の人物から未来を変える可能性を学ぶ。
PrennaとEthanは、絶望的な未来を変えることはできるのか?そして、絶望的な恋を叶えることはできるのか?
映画『旅するジーンズと16歳の夏』(The Sisterhood of the Traveling Pants)で有名になった『トラベリング・パンツ 』の著者アン・ブラッシェアーズの新作で、ベストセラーの期待がかかっているYA小説(たぶん三部作)である。
内容的には、それぞれにタイムトラベルを扱ったRebecca SteadのWhen You Reach MeとStephen Kingの22/11/63を連想させるところがあったが、それらに及ばないのが残念だった。
部分的には良いところもあり、タイムトラベル小説やSFを読み慣れていない読者にはそれなりに面白いかもしれないが、SFファンは苛立ちを覚えるだろう。タイムトラベル小説には必ず辻褄が合わない部分があるのだが、それがSFとしての許容範囲を超えているからだ。
ロマンスについては、トラベリング・パンツのように高校生らしくて好感が抱けるカップルだ。特にEthanがいい。けれども、それだけで読ませるほどの「禁じられた恋」でもない。
とはいえ、最近流行っているYAファンタジーのディストピアものよりは環境問題も考えているし、中高生にお薦めできると思った。
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