Rick Riordan
ハードカバー: 528ページ
Hyperion Book
2010/5/4
児童書(小学校4年生以上)/冒険ファンタジー/エジプト神話
大人気だったPercy Jackson and the Olympiansシリーズの作者による、新しい冒険ファンタジーシリーズ「 The Kane Chronicles 」第一巻。
14才のCarterと12才のSadieは兄妹だが、母が事故で亡くなってからはまるで他人のような関係になっていた。兄のCarterはエジプト学者の父に引き取られて世界中を旅しているが、妹のSadieはロンドンに住む母の両親と一緒に暮らしている。
久しぶりに娘を訪問することになった父親のJulius Kane博士は、CarterとSadieを英国博物館のプライベートツアーに連れて行った。しかし、父の目的は博物館の見学ではなかった。エジプトの神を呼び起こそうとした父の計画は失敗し、ロゼッタストーンが破壊され、父が想定していなかった恐ろしいエジプトの神が現れて父を幽閉してしまう。
CarterとSadieは危険な場からなんとか脱出し、自分たちの家族の秘密を学ぶ。父と母の両家は、それぞれ古代エジプトの神々と深く関わる由緒ある家系であり、CarterとSadieは、非常に強い魔力を持っていたのである。だが、そのために、異なるグループから命を狙われる。
2人は 兄妹げんかをしつつ、地球の危機を救い、父親を救出しようとする。
●ここが魅力
前回の「Percy Jackson and the Olympians」シリーズではギリシャ神話がテーマでしたが、今回の 「The Kane Chronicles」シリーズでは、エジプト神話がテーマです。
ピラミッドやエジプトの神々からは、大人でも神秘性を感じます。私もハネムーンでエジプトに行ったくらいですから、もちろん大好きなテーマです。
登場人物の神々に合わせて、この機会にエジプト神話やピラミッドについて調べたりすると、もっと面白さが増すのではないでしょうか?
大英博物館(The British Museum)によるとても分かりやすいGods and Goddesses of Ancient Egyptというサイトがありますので、ぜひどうぞ。
(このページに載せた神々は誰でしょう?本書に登場するので、ぜひ当ててみてください)
冒険ファンタジーの児童書ですから、神々がとてもモダンで、ヒップです。そのイメージにくらくらしたり、混乱したら、ネットで神様の情報をチェックしてみると情報の整理ができるかもしれません。
CarterとSadieが交互に語り手になることで、2人の心境の移り変わりが読み取れるのも読者にとってはプラスです。
●読みやすさ 中程度〜まあ読みやすい
児童書ですから、文法的には簡単です。
けれども、日本人にとっては、カジュアルな会話での言い回しや、神々の名前などが難しく感じるかもしれません。
また、ページ数が多いので、洋書に慣れていない方にとっては読了が難しいかもしれません。
●適切な年齢
小学校の3年生くらいから。
「親の死」といったテーマも出てきます。読書プログラム参加者のもえさんの感想からは、エジプトの神が残酷だと感じる子がいるかもしれません。
コメント
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