Linwood Barclay
432ページ(ハードカバー)
Delacorte Press
2010/3/9発売
ミステリー/スリラー
妻が消える前から、Davidは私立刑務所の誘致に関する政治汚職事件を調査しており、謎の女性から電話とEメールを受け取るようになっていた。彼が勤務する新聞社が経営難で敷地を私立刑務所の建設場所として売却するという情報を耳にしたDavidは、社の経営陣が汚職とそのもみ消しに絡んでいるのではないかと疑い始める。刑務所の経営者からは謎の女性についての情報を教えるよう脅され、マスコミからは犯人扱いされ、職を失ったDavidは追いつめられて行くが、それでも新聞記者の調査技術を活かしてJanを見つけようとする。
●ここが魅力!
よく知り尽くしていると思っていた妻が、まったく異なる過去と性格の人物であったとしたら...。このミステリー/スリラーは、見慣れた日常生活が瞬く間に異様な世界に変化し、自分の理解者であり味方だと思ってた伴侶が自分を陥れる敵に変化してしまう不条理と恐怖を描いています。
スピーディーな展開と、ナイーブすぎるDavidの人物描写はよくできていると思います。けれどもJanの情緒や考え方は、(いくらそういう女性であるとしても)女性が読んであまり説得力がないような気がしました。男性作家だから仕方がないかもしれませんね。そういえば、この本に出てくる女性は全員感情移入できなくて、おっかないです。
深い感動を残すような本ではありませんが、エンターテイメントとしては良くできていると思います。
●読みやすさ ★★★☆☆
文章は簡単です。
読みにくいとすれば、それは視点がよく変わることでしょう。Davidの視点が一人称で語られている場所と、”She thought...”とJanの視点が三人称で語られる場所があります。これ、 英語の小説には多いのですが、 私がすごく嫌いなテクニックです。一人称で語りたいのであれば、最初から最後までそうするべきですし、それができない小説であれば全部三人称で語るべきだと思うのです。でも、これまでそれを批判する評論を読んだことがありませんし、有名作家がよく使っている手法です。ということは、ここでは受け入れられているのでしょうね。ため息...
●アダルト度 ★★☆☆☆
そんなにきわどい描写はありませんが、一応性的なシーンがあります。
432ページ(ハードカバー)
Delacorte Press
2010/3/9発売
ミステリー/スリラー
Amazon Best Books of the Month(3月)
地方紙の記者David Harwoodは妻のJanと一緒に4歳の息子Ethanを連れて遊園地に行く。到着直後にEthanの姿が見えなくなり、DavidとJanは二手に別れて息子を探す。Davidは見知らぬ男がEthanを置き去りにして逃げるところを目撃し、無事に息子を取り戻したが、今度は妻のJanが行方不明になる。
最近鬱になり、自殺念虜があることを打ち明けていた妻の安否を心配したDavidは、警察にそれを伝えて捜索を依頼する。ところが、警察の調査ではHarwood一家が購入したチケットは2枚だけであり、しかもDavidが言うようにJanが鬱で医師に相談した記録もなかった。状況証拠から、警察はDavidが妻を殺害して自殺にみせかけようとしたことを疑いはじめる。妻が消える前から、Davidは私立刑務所の誘致に関する政治汚職事件を調査しており、謎の女性から電話とEメールを受け取るようになっていた。彼が勤務する新聞社が経営難で敷地を私立刑務所の建設場所として売却するという情報を耳にしたDavidは、社の経営陣が汚職とそのもみ消しに絡んでいるのではないかと疑い始める。刑務所の経営者からは謎の女性についての情報を教えるよう脅され、マスコミからは犯人扱いされ、職を失ったDavidは追いつめられて行くが、それでも新聞記者の調査技術を活かしてJanを見つけようとする。
●ここが魅力!
よく知り尽くしていると思っていた妻が、まったく異なる過去と性格の人物であったとしたら...。このミステリー/スリラーは、見慣れた日常生活が瞬く間に異様な世界に変化し、自分の理解者であり味方だと思ってた伴侶が自分を陥れる敵に変化してしまう不条理と恐怖を描いています。
スピーディーな展開と、ナイーブすぎるDavidの人物描写はよくできていると思います。けれどもJanの情緒や考え方は、(いくらそういう女性であるとしても)女性が読んであまり説得力がないような気がしました。男性作家だから仕方がないかもしれませんね。そういえば、この本に出てくる女性は全員感情移入できなくて、おっかないです。
深い感動を残すような本ではありませんが、エンターテイメントとしては良くできていると思います。
●読みやすさ ★★★☆☆
文章は簡単です。
読みにくいとすれば、それは視点がよく変わることでしょう。Davidの視点が一人称で語られている場所と、”She thought...”とJanの視点が三人称で語られる場所があります。これ、 英語の小説には多いのですが、 私がすごく嫌いなテクニックです。一人称で語りたいのであれば、最初から最後までそうするべきですし、それができない小説であれば全部三人称で語るべきだと思うのです。でも、これまでそれを批判する評論を読んだことがありませんし、有名作家がよく使っている手法です。ということは、ここでは受け入れられているのでしょうね。ため息...
●アダルト度 ★★☆☆☆
そんなにきわどい描写はありませんが、一応性的なシーンがあります。
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