Elric of Melniboné(メルニボネのエルリック)と聞いてすぐにピンとくる人は、相当なファンタジーファンでしょう。 fantasyの中でも1960年くらいまでに作られた、剣や魔法が出てくるジャンルはhight fantasyと呼ばれています。1961年から書かれたElricサーガもそのひとつで、英語圏では「これを読んで育った」というマニアックなファンがけっこう存在するようです。もちろんコミックや映画化が試みられましたが、コミックはすぐに中止、映画化も実現せずにこれまできました。
音楽のように、ある作品が過去のある時期の思い出に重なり、タイトルを耳にするだけで懐かしく、そして切なくなることってありますよね。私にとってはDaddy Long Legsがそんな本です。今日、偶然このタイトルにぶつかって、子どものころ胸をときめかせた感覚が蘇りました。赤毛のアンのように、「いっしょうけんめい勉強して、心優しく、前向きで、けれどもユーモアのセンスがあって、他人とはちょっと違う女性になったら、いつか素敵な人が現れて愛してくれる」と夢見させてくれた本です。今の子にもこういうロマンスを読んで育ってほしい、なんて思うのは年寄りになった証拠でしょうか。
著作権が消滅していますので、無料で読むことができます。アニメや日本語版でしかDaddy Long Legsを知らない方にぜひ原語で読んでいただきたい作品です。チャーミングなJerusha Abbotの語り口につい引き込まれてしまうでしょう。今読み返しても、ドキドキするエンディングです。
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