Elric of Melniboné(メルニボネのエルリック)と聞いてすぐにピンとくる人は、相当なファンタジーファンでしょう。
fantasyの中でも1960年くらいまでに作られた、剣や魔法が出てくるジャンルはhight fantasyと呼ばれています。1961年から書かれたElricサーガもそのひとつで、英語圏では「これを読んで育った」というマニアックなファンがけっこう存在するようです。もちろんコミックや映画化が試みられましたが、コミックはすぐに中止、映画化も実現せずにこれまできました。
ところがようやく別の製作者で映画化が実現することになりました。今回はたぶん本当です。なぜならランダムハウスがこうして第1巻のe-bookを無料提供しているのですから。
主人公のElricは人類の前に1万年にわたって世界を支配したメルニボネ帝国の最後の皇帝で、先天性白皮症(アルビノ)のアンチヒーロー。パワフルな魔力を持つものの、生まれつき虚弱体質のために薬と魔剣Stormbringerの助けがないと生存できない。Elricは、自分の存在の意味を探索しようとするが、破壊と悲劇をくりかえす。Stormbringerの力に頼るElricだが、この剣は吸血鬼のように人の命を奪うことでパワーを得る邪悪な存在でもある。このサーガではElricとStormbringerとの複雑な関係が主軸になっている。
アルビノでニヒルで悲劇的な主人公のElricは絵になる存在ですから私も中学生のころであれば漫画的に楽しめたと思います。現在の私の好みではありませんが、熱狂的ファンが多いのも事実です。日本では80年代~90年代に邦訳版がされているようですが、原作で読むチャンスはなかなかないと思います。ご興味ある方はぜひこの機会にどうぞ。でも、60年代のオリジナルからは抜けている箇所があるようで、状況がつかめにくいかもしれません(私は少々混乱しました)。その他の情報はWikipediaでどうぞ。
(注:本ブログでご紹介するのは、著者または出版社のキャンペーンとして無料になっているもの、あるいは著作権が消失したものです。キャンペーンが終了するとこのページでも読めなくなりますので、ご了承ください)
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Elric: The Stealer of Souls by Michael Moorcock (full book)
*KindleとiPhoneのStanzaでも限定期間中、無料でダウンロードできます。
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