ハードカバー: 368ページ
出版社: William Morrow
ISBN-10: 0060779632
発売日: 2013/9/17
適正年齢:PG13(中学校上級生から)
難易度:上級と中級の中間。入り込みやすいストーリーなので、知らない表現が出てきても、読みやすく感じるだろう。
ジャンル:心理スリラー/ミステリ/ホラー/家族ドラマ
キーワード:霊能力者/ゴーストハント/キリスト教/家族関係/秘密/愛憎
1980年代後半のアメリカ合衆国メリーランド州ボルチモアが舞台。
Sylvie Masonの両親SylvesterとRoseは、熱心なキリスト教徒でありながらも、ゴーストハントを生業としていた。敬虔なキリスト教徒が多いその地では霊能力者を悪魔崇拝者とみなす者も多く、テレビや本で有名になったMason夫妻は居心地の悪い存在だった。
Mason夫妻は仕事で旅をしなければならないときには、Sylvieと姉のRose(英語圏では子供に親と同じ名前をつけることがよくある)も一緒に連れて行った。Sylvieは親の期待に沿った良い子だったが、5つ年上のRoseがあまりにも反抗的で衝動的だったために、家に置き去りにできなかったのだ。厳格な父と長女のRoseは折り合いが悪く、争いが絶えなかった。
その日、真夜中にかかってきた電話もRoseからのものだった。
Sylvieは、警察に伝えられないだけでなく、自分でも答えが見つからない疑問を沢山抱えていた。13歳で両親を失い、たった一人残った姉も信頼できないSylvieは、ひとりで解答を見つけようとする。
Mason夫妻が地下室に閉じ込めているPennyという不気味な人形や、一時期同居していた悪霊にとりつかれた少女Abigailの謎など、ホラーの雰囲気たっぷりで、しかも両親を殺した真犯人の謎もある。また、Sylvieの両親や姉のRoseの真の姿もミステリの一部で、最初のページから最後まで一気に読みたくなるページ・ターナーである。
殺人ミステリ、心理スリラー、ホラーの要素が全部入っており、アメリカ合衆国の一部の地域に特有の厳格すぎるキリスト教徒の家庭の雰囲気はドラマとしても楽しめる。1作でいろいろな美味しさがある小説だ。
おまけのオカルト>この本を読みはじめたとき、「Sylvieって、有名なpsychic(霊能力者)のSylvia Browneを連想させる名前だなあ。わざとかな?」と思っていたら、その途中でSylvia Browneの訃報が入ってきてギョっとした。
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