著者:Barbara Cooper
ハードカバー(208ページ)/キンドル版あり
出版社:Chronicle Books
出版日: 2013年1月1日
回想録/エッセイ
著者のBarbara Cooperはエジプト生まれのユダヤ系アメリカ移民で、20歳のときにカリフォルニアで知り合った5歳年上のHarryと結婚し、2010年にHarryが98歳で亡くなるまで73年の幸福な結婚生活を送りました。
Barbara (愛称はなんとCutie!)とHarry は、ただの長寿カップルではありませんでした。あまりにも仲良しの二人に感化された孫ふたりのすすめでブログを書きはじめ、愛や人間関係に悩む全世界の人々にアドバイスを与えるようになったのです。このブログは大人気になり、Harryの死後、ふたたび孫たちのヘルプで、Barbaraは本を書きました。
BarbaraとHarry の出会いと結婚の回想録はどこにでもよくある話かもしれません。けれども、Barbaraのアドバイスはその辺りにいる96歳とは異なり、とてもクリアでシャープです。大恐慌の時代に知り合って結婚したユダヤ系アメリカ人の二人と現在の日本の読者とではずいぶん背景が異なるわけですが、それに違和感を覚えないことに驚かれることでしょう。
Barbaraが本能的に察知していることや、体験や失敗から学んで編み出した人間関係の知恵は、私が20年かけてようやく分かりかけてきた「みんながハッピーでいられる家族ルール」ととてもよく似ているのです。
共感を覚えたBarbara多くの言葉の中からいくつかご紹介しようと思います。
- When people ask me how they can find the person who is right for them, I tell them they must first understand who they are, and what it is that they are looking for.
- We all like the idea of a perfect relationship and a person who is a perfect match, but that’s not really how it works. Soul mates are not flawless partners. If you want to be happy in a relationship, you must learn to accept the imperfections along with all the good stuff. And stand up for the things you believe in.
- A soul mate seems to me something that you must work to enjoy, not a connection you could just stumble onto.
- We didn’t criticize or judge each other. We decided that the other person was wonderful, and maybe coming from that positive belief, we both were careful to be extra wonderful so as not to disappoint the other.
- Don’t waste your energy worrying about whether strangers are judging you. Odds are, they couldn’t care less, and even if they were interested, who cares what they think?
相手の意見に何でも賛成するのが良い夫婦関係ではない。異なる意見があって当たり前なのだから、それをうまくとりかわせるのが、良い夫婦関係なんだ、というところも常に私が思っていることです。喧嘩をしたときの対処の仕方などにも、おおいに同感しました。
歴史に残る大作ではありませんが、とてもwiseでpositiveな本なので、人間関係を信じたい人におすすめです。
写真がたっぷりのBarbaraのブログもおすすめ。96歳のおばあちゃんがクールでニンマリしちゃいますよ。
●読みやすさ 読みやすい
文章は非常にシンプルで理解しやすい。
ページ数も少ないので、英語にあまり自信がないが児童書やミステリーに飽きている人におすすめのノンフィクションである。
●おすすめの年齢 高校生以上
結婚の話題なので...
This is my life, and I accept it.
自分の人生を大切に生きるということを、これほどシンプルに語られると、平凡すぎるくらい平凡なわたしの人生も悪くないかもと思ってしまいます。
全てのページにあふれる優しさと、クールかつおちゃめなアドバイスにうんうんとうなづくことがたくさんありました。
私は私がいちばん愛する人に愛されたと、最愛の人に言われたいと心から思いました。
そして最後のページの手を振るBarbaraおばあちゃんの写真をみて笑顔になりました。ほんとにチャーミングな女性です。
Who cares what they think?
そう、これは他ならぬ私の人生。
またまた素敵な本を紹介してくれてありがとうございます。
投稿情報: @isao_tkhs | 2013/05/30 19:12