John Green
ペーパーバック: 320ページ
出版社: Speak
ISBN-10: 014241493X
ISBN-13: 978-0142414934
発売日: 2008/10
青春小説/YA(ヤングアダルト)/ミステリー
Quentin Jacobsenと隣家の幼なじみMargo Roth Spiegelmanは物心ついたときから10歳くらいまでずっと親友だったのに、高校生になった今ではまったく接点がない。Quentinは人気者の男子にいじめられるタイプの気真面目な勉強家で、Margoは人気者グループで女王様のように扱われている美少女だ。従って学校で会っても言葉を交わすことはない。
Margoは美しいだけでなく、人々をあっと言わせる大胆さがあり、周囲には彼女の注意をひきたい男子と女子が群がっている。
ところが、一夜明けて学校に行ってみると、一緒に貴重な時間を過ごしたMargoが姿を消していた。
これまでにもMargoは5回も家出をしたことがあり、家族は心配するよりも怒っている。以前の家出でヒントを残していたことを知っているQは、Margoが残したヒントを探し、ポスターを見つける。そのポスターを手がかりに見つけたのが、Margoが彼に残したWalt Whitmanの「Leaves of Grass 」という詩集だった。ハイライトが引いてある部分をもとにQは彼女がいるPaper Townを見つけようとする。
援助を求めた親友たちは、家出した自己中心的で気ままな少女を探すよりも残りわずかな高校生活を謳歌することに一生懸命だが、彼らは卒業式を抜け出してQと一緒にMargoを探すロードトリップにでかけてくれる。
●ここが魅力!
若い頃(大人になってからもそうかもしれませんが)は、実際の人物ではなく、自分が勝手に作り上げたその人のイメージに恋をすることが多いのではないでしょうか。
でも、実際につきあってみると、想像とはまったく異なる普通の人だと知って失望したりもします。
逆に、実際の自分とは異なる姿を作りあげて他人に見せていることもあります。それがあまりにも成功してしまうと、もう自分の真の姿を見せることもできなくなってしまいます。
どちらにしても、「私はどういう人間なのか?」「私の人生にどんな意義があるのか?」と悩むのが青春時代です。
Margoが残したヒントも、それの解き方も、とっても「いまどき」のティーンらしいですし、ふつうの高校生たちの、ふつうの悩み、ふつうの悲しみ、ふつうの喜びを書かせたらJohn Greenの右に出る作家はいないと実感させられます。
私なんかが言っても信じてもらえないかもしれませんが、NerdfightersというサイトでのGreen兄弟とティーンエイジャーとの交流を見ると、納得できると思います。
同じ作者のLooking for Alaskaよりも希望に満ちたエンディングです。
●読みやすさ 普通
Looking for Alaskaと同様。こちらのほうが軽いタッチなので、読みやすいかもしれませんが、ヒントがけっこう難しいです。
Paper Townsとは、日本語の「ペーパードライバー」のように、書類では存在するけれども実在しない町のことです。また、Margoは、彼らが住んでいるフロリダ州オルランドのことを、「本物じゃない偽物」という意味で「Paper Town」と呼んでいます。
●おすすめの年齢層 高校生以上
きわどい描写はないのですが、性的なシチュエーションはありますので、高校生以上が対象です。
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