Justin Halpern
ハードカバー: 192ページ
出版社: It Books
ISBN-10: 0062113372
ISBN-13: 978-0062113375
発売日: 2012/5/15
ユーモア/回想録
ツイッターをしない私の娘や親友は「ツイッターなんてただの時間の無駄」とバカにするのですが、この著者は、その「時間の無駄」のおかげで人気作家になった人です。
きっかけは、著者が3年つき合ったガールフレンドに振られて両親の家に転がり込んだことでした。恋と仕事に挫折し、引退した父親からひっきりなしにハチャメチャなアドバイスを与えられた若者は、 “Sh*t My dad Says(*の部分には適切なアルファベットを入れてください)”というアカウント名のツイッターを始めて父親の口から出ることをそのままツイートしました。
その爆笑の面白さに、たった2ヶ月の間に50万人を超えるフォロワーができ(私も実はフォローしてました)、フォロワーが130万を超える頃にそのツイートの出版が決まり、出版された本はニューヨークタイムズ・ベストセラーになったのです。
ナンタケット島のビーチで読んでいたのですが、6月のオフシーズンで人が周囲にいなくて助かりました。「読むだけで腹筋の運動ができます!」という宣伝文句で売れるのではないかと思ったほど笑いが止まりませんでした。
第二作の本書は、著者がいかに「非モテ(Suck at Girls)」だったかを小学校2年生の頃から現在まで振り返った回想録です。
日本には「プロム」がないので、パートナー探しの屈辱的な体験を想像できないかもしれませんが、「非モテ人生」には共感を覚えることができるかもしれません。また、幼いHalpernの性に対する好奇心と恐怖に対する父親のアドバイスや感想、そして学校の教師への反応などがあまりにもユニークで(ぶっとんでいて)大爆笑です。
このお父さんはカリフォルニア大学サンディエゴ校の核医学部門の責任者を務めた医師だったのですが、そういう肩書きが想像できないような「カラフル」つまり検閲にひかかる表現が多い人物なのです。
そのカラフルな表現もさることながら、その根底にあるお父さんの人生観のズレ方がたまらなく可笑しいのです。
人生を変えるような内容ではありませんが、難しいことを考えず、肩の力を抜いて大笑いするのにぴったりの本です。
何も期待せずに思い切り笑った後に待っている心温まるエンディングにも好感が抱けます。
●読みやすさ 読みやすい
文章はシンプルですし、難しい単語も使っていません。ページ数も少なく、英語の本を読み慣れている人であれば数時間で読み切ることができるでしょう。
けれども、この笑いを理解するためには、アメリカの日常生活を知っている必要があります。
そういう意味では、日本で英語を学んだだけの人にはかえって難しい本かもしれません。
●おすすめの年齢層
どぎついシーンはないのですが、性の話題はたっぷりです。S言葉とかF言葉など下品な表現も多いので、マチュアな中学校3年生くらいから上。
Justさん、こんにちは。
アメリカではユーモアが最も大切なので、きっと喜ばれますよ。
投稿情報: 渡辺由佳里 | 2012/08/27 08:42
Sh*t My Dad Says.と併せて読みました。お父さんが息子を心配していること、息子もお父さんを心から慕っていることに感動。アメリカ人にもJustinのようにシャイな人がいるとは思いませんでした。I Suck at Girls.はAmandaという友達にプレゼントするつもり。This Amanda girl in the book is almost as charming as you are.と言ってあげたら何かいいことあるかな(笑)。
投稿情報: Just | 2012/08/27 08:13