Scott Westerfeld
出版社: Simon Pulse
ヤングアダルト/SF/冒険
Uglies 三部作
1. Uglies
3. Specials
Tally Youngbloodが住んでいる未来都市では、住民は16才になると手術を受けて完璧に美しい「Pretty」になる。手術前の子どもたちはスタイルも顔も欠陥だらけなので、醜い「Ugly」と呼ばれている。彼らは都市の異なる場所に住み、ふたつのグループが交流することはない。
16才の誕生日を目前にしたTallyは、同じく手術寸前のShayという少女に出会い、禁じられてる都市の外を冒険する。
ShayはTallyにある重大な秘密を打ち明ける。過去に人類が破壊させてしまった自然の中でUglyのままで生活している集団があり、Shayは、16才の誕生日前にそこに加わることを決めていた。Shayは、Tallyにもその秘密の基地The Smokeに来るように誘うが、Prettyになりたい彼女はそれを断る。
Tallyは16才の誕生日の手術でPrettyになるはずだったが、その代わりにSpecial Circumstances という特殊部隊のDr. CableからShayについて尋問される。そして、スパイとしてThe Smokeに入り込み、彼らの位置を通報しないかぎりはPrettyにはしてやらないと脅される。16才を過ぎてUglyのままでは生きる場所もない。Tallyは仕方なくShayを裏切るための旅に出る。
Ugliesシリーズは、簡単に説明してしまえば、「美しくて、楽しければいいじゃない!」という昨今のアメリカの文化を風刺しているディストピアSFである。
現在の文明による環境破壊と生物武器を使用した戦争の結果、ほぼ壊滅状態になった地球で、その解決策としてできたのが、このPrettiesのシステムだった。
Prettyの手術は、顔とスタイルを理想的にするだけでなく、脳も個性がない従順なものに変えてしまう。それにより、コミュニティの間の争いもなくなり、平和が保てるのである。だが、UgliesとPrettiesは引き離されているので、脳まで変えられると知っている者はほとんどいない。それを発見し、自分を失いたくない者がコミュニティから逃亡してThe Smokeという荒野で生活する秘密の集団に加わるのだが、Tallyのコミュニティを支配するSpecial CircumstancesのDr. Cableはそれを許すことができない。
Tallyの人生は、Dr. Cableの野望に振り回される。
Scott Westerfeldを有名にした代表作で、人気が出ただけあって、まあ面白い作品である。
だが、この後に彼が書いたLeviathan三部作に比べると、やはり完成度は低い。
●読みやすさ 普通〜やや読みやすい
この本でのいくつかの表現(たとえば bogus, bubbly)が意味するものは、普通の英語のものではなく、この本の世界特有のものである。ティーンが使うスラングのように使われているのだが、読めば分かるだろう。
後は、普通の本に比べれば読みやすいと思う。
●おすすめの年齢層
性的表現はキスまで(セックスという言葉は出てくる)。中学生以上。
コメント
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