Arthur Ransome
ペーパーバック: 352ページ
出版社: David R Godine (2010/7/16版)
オリジナルが出版されたのは1930年英国
冒険/児童文学(小学校高学年から中学生)
イギリス湖沼地方(lake district)で夏の休暇を過ごしていたWalker家の子供、 John, Susan, Titty, Rogerは、航海で留守にしている父親から、湖に浮かぶ小さな島で単独でキャンプをする許可を得る。4人はSwallowという名前のディンギー(小型の帆船)を操縦してWild Cat Islandと名付けた島に着き、そこで空想に満ちた冒険を始める。
いっぽうで、NancyとPeggyのおじ”Captain Flint (Uncle Jim)”は、Walker家の子供たちが自分の船に悪さをしていると思い込み、周囲の大人たちに苦情を言っている。その誤解がとけないうちに、盗賊がUncle Jimの大切にしていたものを船から盗んでしまう。
●ここが魅力!
誰にでも子供の頃に「●●ごっこ」を楽しんだ記憶があるのではないでしょうか?
これまでにも何度か書きましたが、私たち三姉妹は、いったん「秘密の花園」や「ロビンソン・クルーソー」などの空想の世界に入り込んだら、何時間でも現実の世界に戻って来れなかったものです。その世界は、リアルな世界以上にリアルだったと覚えています。
そういった子供時代の空想の世界の楽しさを存分に描いたのが、Ransome の「Swallows and Amazons」シリーズです。第一巻の「Swallows and Amazons」では、子供たちが湖に浮かぶ小さな島を大きな海に浮かぶ孤島とみなして、船員や海賊になりきって冒険します。海賊あり、戦争あり、未開人との遭遇あり、そして盗賊が盗んだ宝探しあり、の楽しさです。
彼らがnative(先住民)と呼ぶ大人たちは、子供たちの安全や食べ物の世話に気をつかいながらも、ちゃんと子供の空想の世界を尊重してくれます。登場する大人たちが素敵なのも、この本の魅力です。
「ツバメ号とアマゾン号」として邦訳出版されている日本では今でもファンが多く、The Arthur Ransome Societyのサイト訪問数では世界でなんと5位です。これには驚きました。
80年前に書かれたもの(上の写真は1930年初版のカバー)ですが、今でもまったく色あせない面白さです。独自の言い回しにとても味がありますので、子供時代に邦訳版を読んだ方は、今度はぜひ原書にトライしてみてください。
●読みやすさ 普通
シンプルですが、英国特有の英語や言い回しの古さを感じます。米国人の子供は違和感を覚えるかもしれませんが、日本の英語教育になれている人にとっては、かえって読みやすいかもしれません。
コメントありがとうございます。
Roald DahlのBoyを読んだ時もそうだったのですが、児童書とはいっても意外と(私にとって)知らない単語がたくさん出てきて、少し骨が折れました。この本は、特に船に関する単語が分からなかったので、慣れるまでに少々時間がかかったような気がします。
投稿情報: Tomoyuki | 2013/04/28 18:51
こんにちはTomoyukiさん
大人でも冒険を楽しめる本ですよね!大好きな本のひとつです。感想も読ませていただきました。やはり少し難しかったですか?
投稿情報: 渡辺由佳里 | 2013/04/28 09:38
普段ほとんど読まない児童書にチャレンジしてみようと、この本を選んで読んでみました。児童書な上に古い作品(1930年)だったので、「楽しめるかなぁ…」と少し心配だったのですが、心配無用でした。とっても面白く読めました!
<私の感想(コメント程度ですが…)>
http://irish.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/swallows-and-am.html
投稿情報: Tomoyuki | 2013/04/28 09:17