Fannie Flagg
ハードカバー: 336ページ
Random House
2010/11/9
フィクション/人間ドラマ
かつて「ミス・アラバマ」 だったMaggie Fortenberryは、60歳のいま、南部アラバマ州バーミンガム市で不動産エージェントをしている。
恋人のCharlesに求婚されたのに、モデルになりたくてニューヨーク市に引っ越したけれど上手く行かず、失望の結果故郷に戻って来たのだ。南部で重視されている「Nice」であることを心がけすぎるMaggieは、他人には見せない部分でずっと自分の人生に絶望しており、自殺を計画していた。
ところが、「他人をがっかりさせてはいけない」というMaggieのniceな性格が災いし、自殺の予定を延期しなければならない出来事がどんどんおきる。自殺後に他人に迷惑をかけないように服やお金を寄付し、銀行口座や電話をキャンセルし、準備万端のときに、昔から大好きだった豪邸が売りに出され、自分がそのエージェントを任される。ライバル不動産経営者Babs Bingingtonの手に渡ったら、この古く美しい家を壊して新しい豪邸にされてしまう。そこでMaggieは、この家が良い持ち主に売れるまでまたも自殺を延期する。
Maggieの同僚Brendaは、バーミンガム市初の黒人女性市長を目指すダイナミックなキャラクターだ。MaggieとBrendaが豪邸を掃除しているときに、彼女たちはトランクの中にスコットランドのキルトを着ている骸骨を見つける。Maggieはこの謎を解かずにして死ぬわけにもゆかない。
そして、昔のロマンスが蘇る予感も...。
けれども、家は売れ、Maggieは謎を解決したと思う。すべてが落ち着くところに落ち着き、いよいよ自殺決行の日がやってくる。
●ここが魅力!
中年女性を対象にしたロマンチックコメディは米国にはけっこうありますが、主人公が60歳というものはそうないでしょう。この本のロマンスの部分はほんの付け足しでしかありませんが、コメディはいっぱいあります。都合が良すぎて甘ったるすぎるところも、「60歳なんて、まだまだこれから!」という気分にさせてくれるアップビートな本と思えば許せます。とにかく、笑いの質が善良。
アカデミー賞にノミネートされた映画「Fried Green Tomatoes at the Whistle Stop Cafe」の原作のように、多くの面白いキャラクターや南部らしい不可思議な逸話がありますが、「フライド・グリーントマト」のように完成度が高い作品ではありません。
「お人好し」というよりも、他人の目を気にしすぎるマギー(Maggie)の言動に苛立つことも多いでしょう。でも、南部の女性の価値観を誇張していると思うと、笑えるのではないかと思います。公民権運動でアラバマが非難されたときのことを、言い訳している感じが否めなかったのですが、Flaggなりに公平であろうと努力しているところは認めたいと思います。特に、黒人男性に選挙権があったときでも、女性には選挙権がなかったというのは史実なのですから。
ちょっと甘すぎて、スパイスが足りませんが、この作品は、作者Fannie Flaggのアラバマへのラブレターなのでしょう。
●読みやすさ 中程度〜やや簡単め
不動産エージェントの女性たちはみんな難しいことをあんまり語らないので、理解に苦しむ場所はあまりないと思います。
●アダルト度
誰が読んでも大丈夫な、マイルドで上品な表現ばかりです。
Maggieの同僚Brendaは、バーミンガム市初の黒人女性市長を目指すダイナミックなキャラクターだ。MaggieとBrendaが豪邸を掃除しているときに、彼女たちはトランクの中にスコットランドのキルトを着ている骸骨を見つける。Maggieはこの謎を解かずにして死ぬわけにもゆかない。
そして、昔のロマンスが蘇る予感も...。
けれども、家は売れ、Maggieは謎を解決したと思う。すべてが落ち着くところに落ち着き、いよいよ自殺決行の日がやってくる。
●ここが魅力!
中年女性を対象にしたロマンチックコメディは米国にはけっこうありますが、主人公が60歳というものはそうないでしょう。この本のロマンスの部分はほんの付け足しでしかありませんが、コメディはいっぱいあります。都合が良すぎて甘ったるすぎるところも、「60歳なんて、まだまだこれから!」という気分にさせてくれるアップビートな本と思えば許せます。とにかく、笑いの質が善良。
アカデミー賞にノミネートされた映画「Fried Green Tomatoes at the Whistle Stop Cafe」の原作のように、多くの面白いキャラクターや南部らしい不可思議な逸話がありますが、「フライド・グリーントマト」のように完成度が高い作品ではありません。
「お人好し」というよりも、他人の目を気にしすぎるマギー(Maggie)の言動に苛立つことも多いでしょう。でも、南部の女性の価値観を誇張していると思うと、笑えるのではないかと思います。公民権運動でアラバマが非難されたときのことを、言い訳している感じが否めなかったのですが、Flaggなりに公平であろうと努力しているところは認めたいと思います。特に、黒人男性に選挙権があったときでも、女性には選挙権がなかったというのは史実なのですから。
ちょっと甘すぎて、スパイスが足りませんが、この作品は、作者Fannie Flaggのアラバマへのラブレターなのでしょう。
●読みやすさ 中程度〜やや簡単め
不動産エージェントの女性たちはみんな難しいことをあんまり語らないので、理解に苦しむ場所はあまりないと思います。
●アダルト度
誰が読んでも大丈夫な、マイルドで上品な表現ばかりです。
●Fannie Flaggをまだ読んだことのない方は、ぜひこれを...
Fried Green Tomatoes at the Whistle Stop Cafe
映画のトレーラー
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