309ページ(ハードカバー)
Atria
2010年1月5日発売
ミステリー/犬
警察犬としてトレーニングされたが、猫に関わるある事件で警察犬になれなかった雑種犬のChetは、退役軍人で私立探偵のBernie Littleに引き取られている。飼い主のBernieと彼の犯罪解決能力に誇りを覚えているChetだが、依頼されるのはBernieの苦手な離婚ケースばかりだ。
ある日Bernieは有名なドッグショーで優勝したPrincessのボディーガードを依頼される。だが、Princessの飼い主であるAdelinaに面会している最中にChetが食べ物につられて失態を犯し、その場で首になる。そして、その直後にAdelinaとPrincessが誘拐され、それを取材していたBernieの恋人Suzieも姿を消してしまう。
今回も捜査中にChetとBernieは別れ別れになってしまい、Chet単独の冒険が始まる。そこで遭遇したのは、ヒッピー、Slim Jim(サラミとビーフジャーキーの中間のような細長い食品。コンビニとかガソリンスタンドによく売っている)、死体、髭男、そしてPrincessだった。
●ここが魅力!
洋書ファンクラブでの昨年の「これを読まずして年は越せないで賞」で入賞したDog On Itは、スティーブン・キングが絶賛した犬が主人公でナレーターのミステリーです。そして、今年の1月に発売された第2作がこのThereby Hangs A Tailです。
今回の面白さは、上品でつんけんした小型犬Princessとの関係です。といっても犬同士が話し合うことはありません。Chetは通常の小説に出てくる犬とは違います。飼い主Bernieに対する絶対の信頼感を持ち、食べ物や動物を追いかけることがプライオリティNo1で、すぐ考えていることを忘れてしまう、とても犬らしい犬なのです。そんなChetの思考回路に、読者はつい微笑んでしまうのです。
第一作に比べると新鮮さはやや欠けますし、ミステリーとしては単純です。けれどもこのシリーズはミステリーのプロットを楽しむためのものではなく、犬らしい犬Chetの冒険を楽しむべきものです。ゆえに今回も楽しませていただきました。
●読みやすさ 中程度〜やや簡単
文法も使っている単語も簡単で、プロットも単純ですから読みやすいとは思います。ですが、たまにChetが理解できない(から可笑しい)言い回しが出てきます。ネイティブの英語に慣れていないと意味が通じないかもしれません。
●アダルト度
前回と同じく、小学生でも大丈夫な内容です。
●A Chet and Bernie Mysteryシリーズ
第3作To Fetch a Thief。
Chetに会いたくて読んでるようなものですね。
3作目のChetも良かったですよ。
全体的な出来としては、3作目のほうが2作目より良かったというのが私の個人的感想です。
ではまた
投稿情報: 渡辺由佳里 | 2010/11/12 07:57
他に読まなきゃいけない本がたくさんあるのに、Chetの魅力に勝てませんでした(笑)。確かに1作目よりは劣るかもしれないけれど、やっぱりChetが可愛い。今回は後半Bernieがちょっと素敵でした。3作目はホリデーまで待とうかなと思います。でも読みたい。。
投稿情報: ちょこ | 2010/11/12 07:38
dearaiさん、こんにちは。
これは、「Chetを読む本」ですよね!
ミステリーは二の次。
第三弾は二弾よりも出来が良い本です。
こちらでも、そろそろNYT紙ベストセラー入りをしそうな感じです。
投稿情報: 渡辺由佳里 | 2010/10/17 07:16
渡辺さんのおっしゃる通り、ミステリーとしてはちょっと不満ですが、1作目でChetのファンになってしまった私にとってはChetがどんな事件に巻き込まれ、解決していくのか、いつの間にか本にひきこまれてしまいました。星3つかな?第3弾もでているようなので、ひき続き読んでいきます。
投稿情報: dearai | 2010/10/17 01:24