Battle of Kids Books 明日の取り組みです
対戦:The Frog Scientist vs. The Last Olympian
The Frog Scientist
対象年齢:9-12才(私の感覚では小学校低学年から小学校高学年)
黒人差別がまだ存在し、黒人が白人と同じ学校に行くことができなかったころの南部サウス・カロライナで生まれ育った黒人のTyrone Hayesは、勉強ができたためにハーバード大学に入学しました。科学者になる夢をいだいていたTyroneですが勉強についてゆくのが困難で脱落しそうになります。けれども彼を援助してくれる恩師に出会ったおかげで好きなカエルを研究するFrog Scientistになれたのです。
Tyrone Hayesは、全世界でカエルの数が激減していることに注目します。地球の温暖化やその地のネイティブではない動物の侵略など数々の原因が重なっているのですが、その中でも彼が注目したのが農薬のatrazine汚染です。カエルは水質汚染に敏感な動物なので、カエルの奇形や成長不良、数の減少は、汚染を研究するのに適しているのです。
この本には2つの目的があります。ひとつは人権問題とその逆境を乗り越えたTyrone Hayesの体験を通じて子どもたちに理解と勇気を与えること。そしてもう一つは、子どもたちに環境汚染の理解を求め、科学に興味を抱いてもらうことです。これらの目的をしっかり果たしている、好感の持てる本です。けれども、中学生より上の年齢の子どもは物足りなさを感じるでしょう。
The Last Olympian(Percy Jackson & the Olympians 5)
対象年齢:9−12才(中学生、高校生、ファンタジー好きの大人もけっこう楽しめます)
Percy Jackson & the Olympiansシリーズの第五部でシリーズ完結編です。
それまでのシリーズについては、洋書ファンクラブのものと洋書ファンクラブJr.参加者のMoeさん(小3)のものをご参照ください。Moeさんはすでに5部すべて読了されていますので、数日中に感想をupします。実を言うと、私はまだ3部の途中なんですよね。でも、近い将来追いついて感想を書きますのでよろしく。
明日の勝敗予想
もうこれは、The Last Olympianしかないです。はっきり言って、優勝候補ですから。
The Frog Scientistも良い本ですが、格が違うというか、対戦するべき相手ではないというか...。
The Last Olympianが本として優れているかどうか、ということはさておき(この時点では私は1と2部の出来で判断するしかないのですが)、上記のMoeさんの感想やいろんな場所での感想からは「子どもたちを楽しませ、満足させている」という点では満点に近い作品のようだからです。万が一The Frog Scientistが勝ったら、全国の子ども(と児童書担当の図書館員)たちから抗議のメールが殺 到するでしょうね。
さて審判は歴史物が多い児童作家のCandace Flemingです。ふうむ。ノンフィクション作家の場合ノンフィクションに肩入れする人もいますし、自分のジャンルだからかえって厳しくなる人もいます。だから、どっちとも言いがたいですね。
ですが、たとえ想像できないような結果になったとしても、Undeadとして蘇ってくるのはThe Last Olympianというのが私のもうひとつの予言です。
コメント
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