先日、レストラン体験記として2度にわたってスウェーデン旅行をご紹介しましたが、肝心のスウェーデンの話しを忘れていました。ストックホルムに6日滞在し、1日は、電車に乗って大学街Uppsala(日本語ではウプサラですが、発音はウップサーラに近い)に行きました。
ストックホルムといえば、日本人の多くが「魔女の宅急便」のモデルになったガムラスタン(Gamla Stan,市庁舎タワーから撮った右の写真)を思い出すようですね。私たちが泊ったホテルからは徒歩で10分以内に行けますので、毎日通いました。以前フランス旅行に行ったときに、偶然「ハウルの動く城」のモデルになった街コルマールとその周辺を訪問し、「あれ?この風景どこかで観たことがある!」と思ったのでした。今回も、事前には知らず「あれ?」と思って検索したのです。
なんと、私たちが泊っているNobis Hotelは、「ストックホルム症候群」という言葉が生まれる原因になった人質銀行強盗が起こった場所だったのです。「あなたの部屋のすぐ下です」と言われてさらにびっくり。夫を講演に招いた方が「奥さんと来るなら、講演会場のホテルじゃないほうがいいのでは?」と推薦してくださったこの新設のホテルは、いわゆる「ブティックホテル」ですが、詳細に渡って「特別」な配慮が施されています。
受付には、モデルのような美青年が3人(人は入れ替わるのですが、いつもそう)。そして、3台のアップルコンピューターのスクリーン。それだけの、シンプルでクリーンな受付です。家具もカーテンも、シンプルな調和をめざし、特別にデザインされたものです。右の部屋番号の「フォント」も、Nobis Hotelが独自にデザインしたもので、「陶器」なんですよ!
ストックホルムは、ガムラスタン(旧市街)から始まったので、ここには王宮や大聖堂があります。ここで一番興味深かったのは、地下です。一度焼け落ちて、そのうえに現在の王宮が建てられたのですが、後に、古い城の部分が発掘されたのです。小さな路地がある魅力的な島で、宮崎駿氏がモデルにしたくなった気持ちがよくわかります。
玩具屋さんのディスプレイが可愛かったです。
美女と...わんこ
1477年に建てられたスカンジナビアで最も古い大学Uppsala UniversityがあるUppsalaに日帰り旅行してきました。Stockholmから行くのであれば、電車が一番速くて廉価です。1時間に何本も出ているので、乗り遅れても平気です。チケットを買うのに時間がかかるので、早めにCentral Stationに行きましょう。プラットフォームはその電車によって異なります。
天気はいまいちでしたが、とても美しい街でした。残念なのは、夏のシーズンが終わったので、多くの場所に入れなかったこと。そして、ランチが最低に「はずれ」だったこと(笑)
上記は、ウプサラ(ウップサーラ)大学の中です。こんな美しい大学で勉強できるなんて!羨ましい。
Museum Gustavianu (グスタヴィアヌム博物館(下記))のドーム(この文字の意味が分かる方、教えて!)の部分には、解剖教室があります。
ストックホルムで驚いたことはいろいろあるのですが、ひとつは、人々がとてもスリムなこと。日本人もスリムで有名ですが、ここの方は、スリムなうえに身長が高いものだから、普通人がスーパーモデル体型。ちょっとしか滞在しなかったのですが、どうやらインスタント食品を食べないことと、運動量が多いことが原因のようです。朝になると、ストックホルムは自転車通勤のラッシュがあるんです。ジョギングで通勤している中年の方も多かったし、そのスピードも本格的。ここで暮らすのはプレッシャーありそう。
夫が、講演やミーティングに行っている間、私はDjurgårdenという島に行ってきました。ここもホテルから15分程度で歩いてゆけます。ビジネスの中心街に近い場所なのに、こんなに美しい公園があり、散歩やジョギングをしている人がいっぱいいました。
このまま島一周しようと思っていたら、突然低血糖に。そういえば、朝ご飯食べていませんでした。やりたいことを優先して食べるのを後回ししているうちに機会をなくすことが多い私なのです。冷や汗が出て来たので、「緊急事態用」のクッキーを食べたのですが、このままではもたない雰囲気。この島にあるNordiska museet(北欧博物館)にはカフェがある筈!
直行して、職員たちの列に並び、「前の人と同じものを」と頼みました。だって、英語のメニューがどこにも見当たらないのですから。水が30クローナというのは驚きでしたが、食事セットは100クローナとストックホルムにしてはお得な価格でした。そういえば、職員の方は、水のボトルじゃなくて、ピッチャーの飲み物を買ってました。味は...日本のファミレスのハンバーグみたいでしたが、飢えはおさまりました。
自分の趣味とは異なるものを博物館で長時間眺めるのが苦手な夫がいないのと、シーズンオフで観光客がいないのとで、じっくり時間をかけて観ることができました。フラッシュは禁止ですが、写真撮影はOKです。そういう博物館が多いので、あらかじめ入場するときに質問しておきましょう。
夫の趣味はだいたい分かっているので、「ここは好きだと思うよ」と連れて行ったのがVasa Museet。行く前は「どっちでもいい」と面倒そうでしたが、行ってみると、やはり好きでした。メインは、(というか、それが唯一の展示物なのですが、)1628年に処女航海で沈んだVasaという船です。スケールもそうですが、ほどこされた彫刻から何から、迫力がある船です。ちょっと幽霊船っぽいところも。
スウェーデン人など数人から「行って損はない」と言われた、ストックホルム市庁舎のタワーは、眺めも素敵でしたが、角を曲がっても、曲がっても、同じようで、少し違う廊下と階段が続く行程が、けっこう面白かったです。健康な方は、エレベーターを使わず、最初からどんどん昇ってしまいましょう。私たちは、他の方々が来る前に塔のてっぺんに行ったので、ゆっくりと眺めることができました。
みんなが塔のてっぺんにたどり着いて混雑してきたら、先に降りて、途中の面白いものをじっくり眺めることにしました。
金曜の夜は、ナイトクラブが賑やかです。ドアの前にチェック係がいて、行列が。
スウェーデンで数日過ごしたとき、Facebookに書き残した感想を、自分でも忘れないよう残しておこうと思います。
テキサス州ヒューストンは、ある意味でスウェーデンよりも「外国」だった。というのは、空港から市内に向かう途中の荒れ果てた光景。貧困層が住む地域が多く、しかもその乱雑さ、汚さ、がショックだった。中流階級以上が住む場所やホテルは、ガードか鍵付きのフェンスで囲まれている。肥満の人も異常に多い。スウェーデンでの驚きは、そういう場所がまったくないところ。マクドナルドまでが(外から見ただけだが)スタイリッシュで美しい。駅の案内書もそうだ。道にゴミひとつ落ちていない。 社会主義を全面的に否定し、すべての解決策が「民営化」とする米国共和党。そして、最も人気があるテキサス州知事のリック・ペリーのことを思うと、「民衆が無知であること」の恐ろしさを実感する。 テキサスで見た光景は、米国の将来のディストピアなのだろうか?
どの国にも良いところと、悪いところがあります。スウェーデンの整然とした美しさは感動的でしたが、マサチューセッツに戻って来て、ローガン空港の雑然としたところや、おデブさんが多いことに、がっかりしつつ「ほっ」と居心地の良さを覚えたのも事実です。でも、多くのアメリカ人は、諸外国の事情を知らずして「アメリカはすべてにおいてナンバー1」という幻想を抱いています。そこは問題だと思うのです。そんな人は、「良いところ」と「悪いところ」に気づくためにも、きっちり外を体験するべきだと思いました。それはどこの国についても言えることでしょうが。
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