アメリカはまだ大晦日ですが、日本では新年ですね。
昨夜、膝を骨折して一人で留守番をしている友人Rの家に夕食を持って行き、二人きりでゆっくりお喋りしてきました。
「一緒にレストランに行こう」と誘われたのですが、すでに家族に早めの夕食を作った後なので、それとワインを1本持って行ったのです。
友人は、フルタイムで働いているうえに、ご主人と子供二人、親兄弟、親戚にいつも頼られていて、自分の時間がまったくない女性です。怪我をしているとはいえ、何もしなくていい夜が嬉しいようです。私も仕事に追われて家にこもっていることが多いので、こうして出かけるのは久しぶりです。
ワインをグラスに注いで「それで最近どう?」という話を始めたところ、彼女が左手を差し出しました。
薬指には大きなダイヤモンドの指輪が光っています。
「私、婚約指輪を持っていなかったのよ。知ってた?」
そういえば、しているのを見たことがありません。でも、そういうことにあまり気づかないのが私です。
だからどうなのか? と訝っていると、Rはこんな話をしてくれました。
*** *** ***
Yukariもよく知っているように、わたしの両親の結婚はうまくいかなかったし、家族は問題だらけ。
そんな家庭で育ったから、J(Rの現在の夫)と付き合っているときも、結婚なんか信じていなかったし、したいと思っていなかったの。
ある日Jが深刻な顔をしてやってきたので、「別れを持ち出すんだろう」と構えていたら、なんとプロポーズだったの。
そこでわたしは即座に「ノーサンキュー」と断ったのよ(ここで私は思わず爆笑)。
だって、わたしみたいな壊れた家庭から来た人が結婚しても続くと思わなかったから。
Jはがっかりして去っていったけれど、また1週間後に戻ってプロポーズしてきたの。
それで根負けして「じゃあ、一応OKするけれど、いつでも気を変えられるように、婚約指輪はいらない」と答えたわけ。
「いつ壊れるか。。。」と思いつつ始めた結婚が今に至っているわけなのよね。
ところが、つい先日、Jがまた深刻な顔をしてやってきたのよ。
そして、ダイヤモンドの指輪をくれたものだから、思わず「浮気でもしているの?」って尋ねちゃった。(ここで、また私は爆笑)
そしたら、Jは「覚えてる? 僕が君にプロポーズしたのは、25年前の今日だよ」って。
「25年続いたんだから、そろそろ婚約指輪をつけてもいいんじゃない?」そうJは言ったの。
*** *** ***
そこで私は感涙。
25年目の婚約指輪のほうが、結婚前のでっかいダイヤの指輪より、ぜったいにロマンチックですよね。
コメント