毎年ノーベル賞候補に挙げられるオーツですが、日本での知名度はいまいち?
詩、小説、評論、多岐にわたる活動を行っているうえ、多作家であるわりには「これ」という作品が日本では知られていないように思います。
わたしも何から読んでいっていいのやら決められず、謎(?)の作家でした。
YA本やホラーも多く、自分がこの種の作品が苦手ということもあります。
とりあえず、完結した作品で適当な長さの小説、ということでこの作品をチョイス。
筋書きは比較的単純で、裕福なユダヤ人作家でギリシャ文学の研究家である主人公が、貧しい家庭からきた頬にタトゥーのある娘を偶然に助手兼家政婦に雇うこととなり・・・というところからストーリーは始まります。
淡々とした内容ですが、およそ対照的といってよい二人になにが起こっていくか。
ゴシックホラーの名手である作者は、微妙に不吉な影を匂わせつつストーリーを進めてゆきます。
ダイナミックな起伏はないのですが、不安感といったものが読者にページをめくらせます。達意の作家という気がします。ラストはえっ!?というものですが、周到に伏線が用意されており、納得。作者はこの小説を「スリラー」である、と語っていますが、確かに。
なぜノーベル賞候補となる名声を得ているのか、少しだけわかったような。静かに語るのになぜか人を強く惹きつける話し手っていますよね。単純な筋立てながら、知らず知らずに読者を作品世界に引っ張り込む力量に感心しました。
ただ、この作家は一筋縄では行かない、もっと色々な引き出しがあると思います。それを知りたいのですが、その第一歩として格好の作品ではなかったかと思います。
詩、小説、評論、多岐にわたる活動を行っているうえ、多作家であるわりには「これ」という作品が日本では知られていないように思います。
わたしも何から読んでいっていいのやら決められず、謎(?)の作家でした。
YA本やホラーも多く、自分がこの種の作品が苦手ということもあります。
とりあえず、完結した作品で適当な長さの小説、ということでこの作品をチョイス。
筋書きは比較的単純で、裕福なユダヤ人作家でギリシャ文学の研究家である主人公が、貧しい家庭からきた頬にタトゥーのある娘を偶然に助手兼家政婦に雇うこととなり・・・というところからストーリーは始まります。
淡々とした内容ですが、およそ対照的といってよい二人になにが起こっていくか。
ゴシックホラーの名手である作者は、微妙に不吉な影を匂わせつつストーリーを進めてゆきます。
ダイナミックな起伏はないのですが、不安感といったものが読者にページをめくらせます。達意の作家という気がします。ラストはえっ!?というものですが、周到に伏線が用意されており、納得。作者はこの小説を「スリラー」である、と語っていますが、確かに。
なぜノーベル賞候補となる名声を得ているのか、少しだけわかったような。静かに語るのになぜか人を強く惹きつける話し手っていますよね。単純な筋立てながら、知らず知らずに読者を作品世界に引っ張り込む力量に感心しました。
ただ、この作家は一筋縄では行かない、もっと色々な引き出しがあると思います。それを知りたいのですが、その第一歩として格好の作品ではなかったかと思います。
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