著者: Maria V. Snyder
ペーパーバック: 416ページ
出版社: Mira
ISBN-10: 0778317404
発売日: 2015/2/24
適正年齢:PG15(性的な話題はあるが、描写はほとんどない)
難易度:中級〜(文章はシンプル)
ジャンル:ファンタジー(ややロマンスの傾向あり)
キーワード:Poison Study、魔法
ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラーになったファンタジーPoison Study三部作の続編といえる新しい三部作の第一巻。
Poison Studyの始まりから8年後(三部作完了から6年後)、YelenaはいまだにIxiaとSitia両国の関係を取り持つ役割を果たしている。Ixiaの最高司令官Commanderの右腕の立場にあるValekとは、ごくたまに密会するだけだ。
Poison Studyがとても好きで、多くの人をファンにした私なので、アドバンスコピーを入手したときには小躍りした。けれども、とっても言いにくいことだが、諸手を上げて喜べる続編ではなかった。
面白い部分はあるし、続きもたぶん読むと思うのだが、Poison Studyの躍動感やドキドキ感は期待しないほうがいい。
Poison StudyはYelenaの一人称だけだったが、Shadow Studyは、Yelenaだけでなく、JankoやValekの視点でも書かれている。そのためにリズムが失われ、相手の心理を推察する面白さがなくなっている。Yelenaの失われた魔力や、Commanderの言動などの謎解きの面白さはあるけれども、どちらかというと、ファンフィクションのような読み応えだった。この三部作を書いた理由について、著者は「ファンが求めたから」と言っていたが、ファンを意識すると、自由に新しい物語を展開させるのは難しいのではないかと思う。
Maria V. Snyderが好きなので、次回がもっと躍動的になるのを祈っている。
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