Oliver Sacks
ハードカバー: 352ページ
出版社: Knopf
ISBN-10: 0307957241
ISBN-13: 978-0307957245
発売日: 2012/11/6
ノンフィクション/精神心理学/行動科学
2012年「これを読まずして年は越せないで賞」ノンフィクション部門候補作
最近ではあまりなくなったが、私は何度も「幻覚」を体験している。
だが、このために病院に行ったことはない。
幻覚が現れるのは特定の時だけであり、日常生活を脅かすことはなかったから治療の必要性を感じなかった。もうひとつの重要な理由は、本書でサックス(Sacks)博士が紹介している実験のように、他に何の症状もないというのに、幻覚(特に幻聴を伴う場合)があるだけで「統合失調症(日本では2002年まで「精神分裂病」と呼ばれていた)」と診断を下す精神科医が多いからである。たまに現れる「幻覚」よりも、誤診のほうが日常生活を脅かすことは間違いない。
サックス博士は、本書「Hallucinations」で、精神科での治療を要しない人が体験する「幻覚」のバラエティとその原因を、事例を挙げてつぶさに説明している。
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