Seth Godin
ハードカバー: 96ページ
出版社:The Domino Project(Amazon)
(2011/3/1)
ビジネス/啓蒙書
以前お話ししましたが、The Domino Projectは作家セス・ゴーディンの独立した出版社であり、Powered by Amazonというプログラムを利用した最初の出版企画です。そして、本書 Poke the Boxが、The Domino Projectが出版する第一作なのです。
中身が分からない箱を眺めているだけでは中に何が入っているか分からない。眺めているだけではなく、誰かが開けてくれるのを待っているのではなく、自分でどんどん箱を突っつけと読者にはっぱをかけているわけです。
この本の中で、おおいに同感したのは次のような部分です(読んでいるときに気に入った部分を、私が勝手にまとめて箇条書きしました)。
1)他人に指図されるのを待たずに自分で率先して始めよう。
2)物事を成し遂げるのは簡単じゃない。失敗もするし、拒絶もされる。でも、言い訳するな。途中でやめるな。毎日、コツコツと、ずっとやり続けるのだ。
3)成功している者は、みんな何度も失敗している。失敗は必ずするものだ。失敗を怖れるな。
4)失敗し続けるのに疲れてあきらめてしまう人もいる。でも、挑戦をやめないで、ずっと続けて、成し遂げる人もいる。どちらを選ぶかは、あなた次第だ。
5)安全なこと、簡単なことを選ぶな。恐いこと、リスクがあることをやるのに意義があるのだ。
Sethはよく「Lizard brain (トカゲの頭脳)」という表現を使います。
それを含めて、Marketing Lessons from the Grateful Dead(グレイトフル・デッドから学ぶマーケティング)などの著者David Meerman Scott(情報公開:私の夫です)がビデオ対談していますので、どうぞ。ブログ記事「Seth Godin channels the Grateful Dead to launch his new book Poke the Box」には、グレイトフル・デッドに関する話題も載っています。
Seth Godin on his new book Poke the Box from David Meerman Scott on Vimeo.
ハードカバーですが、非常に薄く、ものの数時間で読み終えることができます。
ページ数の薄さや、事例の少なさ、マーケット分析がないこと、などについて「無駄なお金を使ってしまった」と感じる人もいるかもしれません。
でも、この本は、「迷っていないで、やるんだ!怖れるな!」と読者を鼓舞する本です。怠けそうになったり、くじけそうになったり、悩んだりするときに、取り出し、Sethが耳元で呼びかけている場面を想像し、「分かった。頑張る」と元気を出すための本だと思います。(あるいは、これまで何もしなかった人が態度 を変えるための本?)
挑戦のお守りとして使うファンもいるかもしれません。
どうとらえるかは、その人次第でしょう。
●読みやすさ 簡単
文章はみごとに簡潔です。
ページ数も少なく、洋書初心者向けのビジネス本としては、最も読みやすい本と言えるでしょう。
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