作者:Stephenie Meyer
2006年刊
ジャンル:ファンタジー/パラノーマル/ロマンス/吸血鬼/ヤングアダルト
エドワードとベラはロメオとジュリエットの悲劇を繰り返すのか?
●★★★★☆(2009/3/1に他のエントリーとの比較により修正)
★★★と★★★★の中間。文法は単純ですし、大学入試に出るような難しい単語は使われていません。高校1年生程度の英語力で十分理解できます。本は分厚いのですが、フォントが大きいので決して長い作品ではありません。多くの9-12歳向けの作品よりも読みやすいと思います。
●ここが魅力!
恋が安定してしまうと面白くありません。
New MoonではTwilightで体験できなかった失恋の苦しみをじっくり味わえます(そんなの味わいたくない、という人もいるでしょうが)。失恋で終わらず、それからの回復が醍醐味です。山あり谷ありの感情のローラーコースターが楽しめます。
●アダルト度 ★★★☆☆
YA(ヤングアダルト)。高校生の少女向け。
キスシーンを含むラブシーンは沢山ありますが、YAものとしてはこんなものでしょう。
自殺願望っぽいところもあります。
●この本を気に入った方はこんな本も...
Twilightシリーズの続編。その他はTwilightを参照してください。
Twilightの続編「New Moon」のテーマはロメオとジュリエット。「ということは、どちらも死んでしまうの?」というのが最初に浮かぶ疑問ですが、発売当日に読んだ読者以外はそういう心配をしなくてもよいことはご存知だと思います。
Twilightでとりあえずハッピーエンドになったのですが、エドワードの家で起こった誕生日のアクシデントをきっかけに彼の様子がおかしくなってきます。Twilightが初恋の甘酸っぱさを鮮やかに描いていたのに対し、New Moonは失恋の絶望を徹底的に描きます。恋の最中に信用しきっていた恋人から見捨てられる心の痛みが延々と続くことに私の周囲の高校生は落ち込んだようです。また、エドワードの出番が少なく、狼人間(シェイプシフター)のジェイコブの存在感が大きくなってくるのもファンの少女たちの神経に触ったようです。それゆえ、読者の評が低めになっているようですが、恋の陽だけでなく陰を描く出来の良いロマンスだと思いました。
また、この本ではアリスの特殊な才能とロザリーのちょっと困った性格が「ロメオとジュリエット」のシチュエーションを作り上げる鍵になっています。そして、これからの物語で重要になってゆく、バンパイア界の貴族とも呼べる不気味なVolturi一家が登場します。
バンパイアと狼人間たちの確執、エドワードとジェイコブのライバル意識もこの本から強くなってきます。そしてベラがその間で悩むようになる理由もこの本を読まねばわかりません。そういった意味で、シリーズでは読み逃してはならない一冊です。
これ、4部作の中ではティーンの女の子に一番ウケが悪いんですよね。エドワードがあまり出てこないから。
でも大人の読者はそう思っていないというのが、面白いですね。
投稿情報: 渡辺由佳里 | 2010/10/25 04:58
幼なじみのジェイコブか、失恋してしまったけれど忘れられない初恋の相手のエドワードか、ベラの悩みが徹底的に書かれていますね。今後の展開に期待です。
投稿情報: dearai | 2010/10/24 21:59