レーベルから離れて独立したアマンダは、Amanda Palmer & The Grand Theft Orchestraという自分のバンドを結成し、4年かけて作った新しいアルバムのプロモーションと音楽活動のために、Kickstarterというクラウドファンディングを利用して直接ファンから資金を集めることに決めたのです。当初の目標は30日間で100,000ドルを集めるというものでした(4月のWeb Ink Nowの記事はこちら)。
2004年ごろだと思うのですが、夫がエアロスミスを取材した関係でfriends & family席と呼ばれるステージ前の特等席でライブを観たことがあります。そのときの前座はなんとチープトリック。私はファンではありませんでしたが、青春時代に流行ったバンドですから懐かしさいっぱい。 しかし困ったのは私の席。リードボーカルのRobin Zanderが私の姿を見つけたとき、キラリと目が輝いたのです。それから何度もこちらに笑顔を送り込むので「まずいな...」と焦っていたら、"I Want You to Want Me"では完璧に私に視線を合わせちゃうのですよ。ファンは合唱してるけれども私は歌詞覚えてないもんねー。冷や汗たらたら....。これほど「ありがためいわく」だったことありません。
そういえば私が若かった頃は、ロッカーの間でTokyoとかJapanは幸運のお守りみたいなものでした。クィーンの場合もチープトリックのように日本が彼らを有名にしましたし、ディープ・パープルの最も優れたライブアルバムは日本ツアーを録音したLive in Japanです。当時のエキゾチックな女性はWoman from Tokyoと日本人女性...。「日本に行って成功し、謎の日本人女性と知り合って歌にしたい!」というのが世界のロッカーの夢だったなんて、すごいと思いませんか?
3人が引き受けた条件はスクリプトなしで自由にさせてもらうということ。その影響でフィルムにはちょっとまとまりのない感じがありますし、It Might Get Loudというタイトルから期待されるほどLoudにならないのが残念です。けれどもそんな欠点を差し引いても、見応えがあるフィルムでした。というのは、彼らのミュージシャンとしての素顔が透けて見えるからです。
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