3月11日の地震以来、胸にこみあげるものはいっぱいあります。でも、ツイッターでは、知人の安否を確かめるためにDMを利用するだけで、公ではあまり語らないでいます。
その理由は2つ:
2)正直な気持ちを書くと、説教じみた言葉になってしまうから。
とくにふたつめについて。
「日本の米軍は何もしてくれない」とか「原発のメルトダウンをなぜ最初から予測していなかったのか」とか「政府は何もせずに眺めているだけ」といったツイートを読むと、悲しくなるからです。
というのは、TVや新聞が書かなくても、地震が起きた時点で、米国政府は日本政府に援助の申し入れをし、日本政府が要望する形ですでに動いていましたし、原発についても、最初の放射能漏れの時点から、メルトダウンを含めて惨事の可能性があることは専門家には分かっていて、それをくいとめるために必死に対応しているのは明らかなのですから(こちらの報道では、早い時点でその話をしていました)。ただ、それを公に発表しなかったのは、パニックを恐れてのことでしょう。断言してもいいですが、現場の人は命をかけてくいとめようとしています。
自衛隊だって、雀の涙のような予算なので、在日米軍の同じレベルの軍人に比べると本当に可哀想な待遇だと知人から聞いたことがあります。米国の軍人のように国民から普段「ヒーロー」扱いされることはありません。それなのに、惨事が起こると「もっと頑張ってくれないと困る」とあてにされ、責められます。
地下鉄サリン事件のときもそうだったのですが、表面に見えない多くのヒーローたちで日本は成り立っているのです。誰にも感謝されないのに、自分が危険な時にもコツコツと義務を果たし続ける人で。
だから、こんなに大規模な地震が起こっても、他の国のような二次災害(泥棒、暴力、ルーティング)などが起こらず、被害が最小限に食い止められるのです。
テレビに映っていない努力のほうが多いのです。
大人が、家庭やソーシャルメディアで「してくれない」と「あてにならない」と文句だけを言うことの被害は、それを聞いて育つ子どもたちが、感謝の気持ちなしに「やってもらうこと」だけを求めて育つことです。
そんな人ばかりになったら、この素晴らしく機能する日本がなくなってしまうでしょう。
だから私は、「してくれない」という意見ばかりを読むと悲しくなってしまうのです。
本当に「政府がダメ」と思っているのなら、あてにできる政治家を草の根の段階から自らの手で育てましょう。そして、少々の失敗で捨てたりせずに、徹底的に手伝いましょう。トップが変わり続けていたら、ろくな政治はできません。
自衛隊に頑張って欲しいのなら、日頃から尊敬の念を持って接しましょう。もっと待遇を良くしてあげましょう。
原発が不安であれば、それにとってかわる方法を真剣に検討するべきです。日本の電力は原発に強く頼っているのですから。
ひとつだけ確かなことは、いま文句を言うことで事態はよくならないということです。
なぜなら、これが終わったら、またみんな普通の生活に戻り、自分で率先して行動するなんて、考えないからです。そして、次の惨事が起きたら、また文句を言うことで満足してしまう。
****
6/27日追記
現在、このプロジェクトを応援しています。
何かをしたい、と思っている方がいらしたら、ぜひ「ほぼ日」の「西條剛央さんの、すんごいアイディア。」をお読みいただき、「ふんばろう 東日本支援プロジェクト」のサイトをご訪問ください。
遠く離れている人びとが「何かをしてあげたい」と物資を送りたくなる気持ちは分かります。
けれども、ぜひお願いしたいのは「物を送らないこと」。いろいろな提案はごもっともですが、あえて言います。
現場が必要に応じて柔軟に対応できる「お金」だけにしましょう。
今はまだ、被害の査定をし、何がどのように必要なのかを現場が分析しているところでしょう。そこにいろんな「物」が来てしまうと、かえって迷惑です。それを仕分けするための人も必要になりますし、運送にお金も手間もかかります。何よりも「使えないもの」「要らないもの」はゴミになります。役に立つよりも、迷惑になることのほうが多いのです。
私は災害のときに寄付する機関を決めています。(Doctors Without Borders、あるいはRed Cross)。残念なことですが、災害が起こるたびに、本当にちゃんと使ってくれているかどうか不明な団体が生まれます。それに騙されないようにしてください。
今回は、日本赤十字にするつもりなのですが、サーバーがダウンしていますので待っています。
コメントをいただいた方からの情報では、Google check outでできるそうです。
追記:
サーバーが戻ってチェックすると、海外から日赤への献金が難しいようだったので、
いつものAmerican Red Crossを通じて献金しました。(目的が選べます)
追記の追記(3/16):
American Red Crossでは、目的金額に達すると別のところにお金が使われてしまいます(どうやら現在それが疑われる状況のようです)。そこで、読者の方々には、もう少し状況がはっきりして、被災者の住む場所とか今後の生活のために使ってもらえる寄付の場所ができてから寄付をしていただくことも考慮していただければ幸いです。アメリカ人の知人からの問い合わせには、「そのときにお願いします」と答えています。
追記の追記の追記(3/18)
左の「がんばっているNPO/NGOを応援するThink the Earth基金」の考え方に賛同します。ツイッターでの知人が薦めてくださったもので、信用できる方々が関わっておられるようです。
*****
けれども、寄付をしなければならない、と言っているわけではありませんので、誤解のないよう、お願いいたします。既に経済的に大変な方はたくさんいらっしゃると思います。「物資を送りたい」という強い気持ちがある方は、切手代と同じ金額を送るほうが役立つかもしれない、というご提案です。
「節電する」「罹災地への電話を控える」「みんなの無事を祈る」...など、いろいろな形があると思いますので。
私の義理の兄は、ハイパーレスキュー隊です。
福島原発で、放射能に立ち向かい戦っているのは、東京電力の社員は一人もいません。
皆、下請け会社、もしくはメーカー、そして自衛隊等です。
東京電力の社長は何をしているのでしょう?
社員達は何をしているのでしょうか?
投稿情報: mmbcn | 2011年3 月21日 (月) 08:47
いろいろなご意見をいただきながら、個別にお返事できず、申し訳ありません。
すべてを今後の学びにしたいと思います。
ありがとうございます。
投稿情報: 渡辺由佳里 | 2011年3 月21日 (月) 07:18
> このような発言をされる方が、本を出されたりしているなんて、驚きの一言です。
出版と関連づけるような無意味な攻撃はやめましょう。
それから同一のコメントを何度も投稿するような嫌がらせはやめましょう。
もしあなたが「立派な人」であるならば。
投稿情報: Sakky | 2011年3 月21日 (月) 00:04
削除せず、真実の声を聞くべきです。
もし、あなたが本を書いているような立場ならば。
立派な人は、人の意見をききます。
それが、賛成であっても反対であっても。
>>原発が不安であれば、それにとってかわる方法を真剣に検討するべきです。日本の電力は原発に強く頼っているのですから。
このような発言をされる方が、本を出されたりしているなんて、驚きの一言です。
では、由佳里さん、あなたには、何をする力があるのでしょうか?
福島原子力発電は、東京に住む方のためのエネルギーです。
東北地方の電力は、東北電力で作っていますので。
東京での停電、多いに賛成です。
あななたちの為に、福島県民は、原発に怯えています。
投稿情報: 由佳里 | 2011年3 月13日 (日) 21:08
>>原発が不安であれば、それにとってかわる方法を真剣に検討するべきです。日本の電力は原発に強く頼っているのですから。
このような発言をされる方が、本を出されたりしているなんて、驚きの一言です。
では、由佳里さん、あなたには、何をする力があるのでしょうか?
福島原子力発電は、東京に住む方のためのエネルギーです。
東北地方の電力は、東北電力で作っていますので。
東京での停電、多いに賛成です。
あななたちの為に、福島県民は、原発に怯えています。
投稿情報: 由佳里 | 2011年3 月13日 (日) 21:06
>>原発が不安であれば、それにとってかわる方法を真剣に検討するべきです。日本の電力は原発に強く頼っているのですから。
このような発言をされる方が、本を出されたりしているなんて、驚きの一言です。
では、由佳里さん、あなたには、何をする力があるのでしょうか?
福島原子力発電は、東京に住む方のためのエネルギーです。
東北地方の電力は、東北電力で作っていますので。
東京での停電、多いに賛成です。
あななたちの為に、福島県民は、原発に怯えています。
投稿情報: 由佳里 | 2011年3 月13日 (日) 21:05
>>原発が不安であれば、それにとってかわる方法を真剣に検討するべきです。日本の電力は原発に強く頼っているのですから。
このような発言をされる方が、本を出されたりしているなんて、驚きの一言です。
では、由佳里さん、あなたには、何をする力があるのでしょうか?
福島原子力発電は、東京に住む方のためのエネルギーです。
東北地方の電力は、東北電力で作っていますので。
東京での停電、多いに賛成です。
あななたちの為に、福島県民は、原発に怯えています。
投稿情報: 由佳里 | 2011年3 月13日 (日) 21:04
非常に多忙なため、コメントの掲載や対応が今後あまりできないと思いますが、ご理解いただければ幸いです。
人の心には「誰かの役に立ちたい」という強い願望が潜んでいると思うのです。その方法が分からなくても。いま、遠く離れていて、何もできないというもどかしさを感じている人はとても多いと思います。私を含めて。
被災地が回復するまで、またその後まで、忘れないようにしなければならない、と思っています。
「偉そうなことを言っている」と感じた方には、申し訳ありません。でも、いま私が呼びかけたいのは、「怒り」や「攻撃」で悲しみやショックに反応するのではなく、「共感」や「恊働」、「励まし」で反応すること。それだけです。
投稿情報: 渡辺由佳里 | 2011年3 月13日 (日) 14:51
のコメントのどこが一理もありませんでしたでしょうか?あなた個人を攻撃していないことは、明らかだと思うのですが…。押し付けだの説教されたなんて微塵にも感じてませんし。ただ見識のある人間が、知らない人に伝えずに読んでも、読まなくてもいい、分かる人だけ分かればいいでは、人として無責任だし、被災者からの気持ちの上にたった情報、真心のこもった提案には思えないと自分は感じたのです。エジプトの例でもわかるように、世界中の様々な思考を持った不特定多数の人間が関っているのがソーシャルネットメディアの世界で、発信した事にどんな影響があるかなんて誰も計り知れない世界なんです。どんな人が読むか分かっているなら別です、それを人間関係のひとつだと思っているのなら、権利と言うのなら、人間関係を断ち切るように無視する権利もないと思います。妹は自衛官ですが、青森の散乱した自分の家に帰りたい気持ちを抑え、今も岩手で活動しているんです。どんな情報でも欲しかった被災地の人もいたんです。そして被災者を家族に持つ一人の人間としてコメントしたのです。すばらしい提案されるのは結構ですが、いつ何時様々な思考を持った人間がこちらに来るかなんて分からないんですから、真心をこめて真剣に、ゆるく自由に発信していって下さい。
投稿情報: Blue3jkd | 2011年3 月13日 (日) 14:42
初めまして。 Google Checkoutで日本赤十字に寄付できます。情報ご提供まで。
http://www.google.co.jp/intl/ja/crisisresponse/japanquake2011.html
投稿情報: di | 2011年3 月13日 (日) 05:04
アメリカ在住者として同じ考えです。
海の向こうで起こったことといえ、自分が関係する多くの人が経験している惨事だけに、あまりにも身近すぎて発言する気になりません。
海外在住者が日本の政府を非難したり、上から目線で発言したりする様子を見て、ものすごい違和感を覚えました。
ソーシャルメディアは偉大だけれど、この緊急事態においては言論活動に精を出すより、黙って行動するほうが大切だと感じます。
投稿情報: さとうみゆき | 2011年3 月13日 (日) 00:28
同感です。冷静に最善を尽くそうと努力している人たちに頭が下がります。また、そういった人たちが黙っていても感じる人たちが大勢いることを嬉しく感じます。記事を中3の娘にも理解してほしいと思って紹介しました。それはなんのために?未来につながらない目的を失った批判は意味がない。
最初の衝撃から時間が経つにつれ、ヒステリックな意見がメディアでも目立ってくるのが残念ですが、それは黙殺し、冷静に自分にできることを考え行動に移したいと思います。
投稿情報: くま | 2011年3 月13日 (日) 00:27
非常に分かりやすく書いていただきありがとうございます。
一度だけTweetさせてもらいます。
投稿情報: kuniyam | 2011年3 月12日 (土) 21:34
同感です。
他人の行動を批評する前に、自分に何ができるか
考えて行動を起こすべきなのでしょう。
そういった意味で我が家は節電から。
そしてわずかでも募金を。
一人でも多くのかたの無事を祈念します。
投稿情報: kazu | 2011年3 月12日 (土) 21:09
テレビに映っていない部分で頑張ってる方々がいる。この部分を忘れないようにしようと思います
投稿情報: 45nama | 2011年3 月12日 (土) 20:48
Twitterから来ました。同感です。僕は有益な情報を持っていないのでなるべく意味ないtweetはしないようにしています。
昨日被災地から都内に後期試験を受験しに来ている学生が帰宅できないで困っていることをTwitter上で知り、しばらく泊めることにしました。Twitterで自分にできることを探して実行する。そういう使い方をしていきたと思います。
投稿情報: wagontiger100 | 2011年3 月12日 (土) 20:48
Twitterから来ました。
できることがないかと、不安になってしまって
役に立たない発言を繰り返しがちですね。
もちろんよいやりとりもありますが……
良識ある判断が求められますね。
投稿情報: fukazawa | 2011年3 月12日 (土) 20:44
現場で戦っている人がいることを忘れずに、自分で出来る事を自分で考えて行動。私はとりあえず募金。
投稿情報: Layzmasta | 2011年3 月12日 (土) 20:39
アメリカの方々も、既に東北の津波・地震災害への支援(寄付)を始めてくれているのですね。本当に有難いことです。
http://www.webinknow.com/2011/03/sxsw-responds-to-japan-disasters-in-real-time.html
投稿情報: Tomoyuki | 2011年3 月12日 (土) 19:22
同意です。
野次馬根性は,いけません。
私はいつものユニセフを通じて支援したいと思います。
投稿情報: torasan8 | 2011年3 月12日 (土) 18:59
Twitterから来ました。
大部分には賛成ですが、ある部分だけ…
>惨事が起こると「もっと頑張ってくれないと困る」とあてにされ、責められます。
これには違和感を感じます。
僕が見聞きした範囲だと、(NHKを見ているだけなのでマスメディアがどうなのか分かりませんが)一般の方々は自衛隊や原発で作業されてる方々を応援している人が多い。
あなた自身が説教臭くなりそうになるのを自重するのは分かりますが、そうでない方にも目を向けて下さい。僕の目に入る範囲では、良心を持って(ツイッター等で)情報交換されている方々がほとんどです。
重ねて言いますが、その他の部分に関しては賛成です。。
投稿情報: N | 2011年3 月12日 (土) 18:08
直美の夫です。
励まされます。
まさに当事者ですので。
指摘して頂いたようなエネルギーの問題については、10年前にNHKで話をさせてもらいました。(自宅にて取材)
そうは思っていても、現実的には選択肢の限られる中で、「今の」国の社会機能を維持する努力をしています。ある部分では、役人以上に国のことを考えています。
命を落とした仲間、委託企業の方にはご冥福を祈るばかりです。
投稿情報: 直美の夫 | 2011年3 月12日 (土) 08:21
対応云々については個々の立場があり、仮にベストな形があったとしてもそのやり方をその方に押し付けるのがベストとは思いません。但しスパムやチェーンメール、根拠のない風評や誹謗中傷などは論外です。
罹災地区以外の人は、【節電】【現金の寄付】【罹災地への電話は控える】をすることだけです。
衣類・毛布も必要ですが、神戸の震災の時に問題になりましたが、古着の処理場と化し運輸インフラなどを麻痺させるだけです。
ボランティアも初期段階は経験者、専門家のみとし、一般の方は罹災地が落ち着いてから言って頂くようお願いします。
関東圏はこれから輪番停電となり1週間は続く予定です。西日本エリアの方も節電いただければ、電力会社同士の電力応援の量が増えます。そして関東以東の方の停電時間が軽減されます。どうか、ご協力をお願い致します。
投稿情報: k | 2011年3 月12日 (土) 08:11
全く同感です。
3/12 21:00現在、東電の発電所関連のニュースで見る限り、少なくとも3名の方が地震対応作業中に亡くなられ、4名以上の方が負傷されたらしいです。また、各地で警察や消防関係の方も何人か亡くなられたり消息不明状態のようです。で、自分はそんな危険なところには仕事と言えども寄り付きたくないと思いつつ、こうやって電気の恩恵に綾かっているわけですね。
それに、私は東京でせいぜい帰宅難民だったくらいですが、深夜に復旧した電車での帰宅時に、仕事とは言え駅で多くの客を徹夜で誘導していた駅員さんがいたわけで、ほんと色んなところで頑張ってくれている人がいるんだなぁと思いました。(まぁ、渋谷という土地柄にも関わらず、整然とその指示に従う客にもある意味ちょっと感動しましたが…)
投稿情報: ポンポコ | 2011年3 月12日 (土) 07:42
ネットでまおさんと名乗っています。
はじめまして。
わたしは良心が試される時が来たのだと思っています。
確かにあなたの言うとおりのことばかりです。
言いたいことを簡単にまとめて発信してできることをしているばかりです。出来ることと言っても募金ぐらいですけれど。
投稿情報: まおさん | 2011年3 月12日 (土) 07:21
ツイッターからきました。
私もツイッターでの発言は控えています。
現場の方々の必死の努力には頭が下がります。
みんながんばれ><
投稿情報: BUBI_SAN | 2011年3 月12日 (土) 07:14
全く同感です。
私も、リツイート以外は必要最小限のつぶやきしか
していません。全く同じ理由です。
私たちは、SNSによって自由に発言する権利を得て
います。しかし、権利と同時に発言に対する責任を
持つことになります。
自分なんてフォロワーも少ないし、文句言ってても
影響なんてないわ!なんて思ったら大間違い。
人は、考えを文字にしてしまうと、思考がその方向
へ固まると思います。
そのことが、普段の家族や周りの人たちに対する言動
に表れるはずで、渡辺さんが言われているような
文句は言うけど、自分では動かない。いつも受動的
で、主体的な思考ができないマイナスオーラを周りに
作ってしまうと思います。
ブログの内容に非常に共感できたので、熱くコメント
させて頂きました(^_^;)
お邪魔しました。
投稿情報: sanzhaiyawen | 2011年3 月12日 (土) 07:07