昔から、私は仕事そのものが辛いと思ったことは殆どありません。
というか、新しい職や企画のたびに「ワクワク」胸を踊らせ、朝起きるのが待ち遠しくてたまらなかったものです。でも、その「ワクワク」感を殺したのが、仕事の人間関係でした。「胃が痛くなり、死にたくなるような環境」でないと仕事をしていることにはならないと信じている人があまりにも多いように感じました。
私は、仕事も勉強も、楽しみながら(楽しむからこそ)ハードにするものだと信じています。ですから、この「プレイフル・シンキング」を読んで、とても嬉しくなりました。すべてのページに「賛成!」と言いたくなるような本だからです。
著者は、同志社女子大学 現代社会学部 現代こども学科 教授、メディアラボ客員教授の上田信行先生です。以前MITのメディアラボを訪問させていただいたときに、副館長の石井裕教授と奥様の菅谷明子さんのご紹介でお会いしました。
全てのページに「なるほど!」というアイディアが詰まっていますが、その中でも特に皆さんに分かっていただきたいのが、第一部のフィックスドマインドセット vs. グロウスマインドセットという部分です。固定的知能観に対しての成長的知能観に、耳の痛い思いをされる方が沢山いると思います。けれども、ここが肝心なのです。
次は、上田先生が引用されている認知心理学者キャロル・ドゥエックの意見です。
変化を怖れる人は、「努力しても自分は変わらないのではないか」と思い、変化を楽しめる人は、「努力すれば自分はいくらでも変われる」と思う傾向がある。
そして上田先生はこう結んでおられます。
人がプレイフルであることを阻害しているのは、自分が変わっていけるという予感をあまりもつことができない、硬直した心のあり方なのである。
実は、20年前に一緒に仕事をしていた同僚から新年に受け取ったメールに、次のような一節がありました。
いつも「人は変われる!今を中心に今までの過去が同じように未来になると考えるのはちがう!」というようなことを渡辺さんは言ってましたよね!
この偶然に、思わずニンマリしてしまいました。
上田先生がこの本で指摘されておられるように、「他人からよく見られたい」「失敗は過ち」「自己防衛」の発想を「よくなりたい」「失敗は未来の自分への投資だ」「課題挑戦」に転換するだけで、働く人は幸福になり、職場は生産的になると思います。
懐疑的な方もいらっしゃるでしょう。
でも、著者の上田先生は、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学といった知的な環境でのワクワクどきどきする考え方(プレイフル・シンキング)を体験した上で書いておられます。
また、以前にご紹介しましたが、ボストン・ビジネスジャーナル誌が「ボストンで最も働きたい会社」の第一位(#1 Best Place to Work)に選んだHubSpot社も、素晴らしくプレイフルです。また、Software as a service(SaaS)の会社としては世界で2番目に急成長している会社です。
プレイフル・シンキングは一人では実現しにくいので、ぜひ職場全体、あるいは部署全体で「課題図書」として読んでいただきたいな、と思います。
アリゾナさん、
転換期なんですね!
私もいろいろ転換してきたひとです。
ぜひぜひ楽しんでくださいね。
投稿情報: 渡辺由佳里 | 2011年2 月11日 (金) 04:27
ゆかりさん、
仕事の転換期を予感している今日この頃。
心強い前向きなメッセージ、とてもうれしいです。
投稿情報: アリゾナ | 2011年2 月10日 (木) 22:52