娘の水泳のチームメイト、エリザベス・バイセルのオリンピック体験が昨日終わりました。400メートル個人メドレーで4位、200メートル背泳ぎで5位というのは、自己最高記録ではなかったにしても、オリンピック初体験の15歳にとって上出来だったと思います。自分をよく知るコーチのチャックではなく、オリンピックチームのコーチの指導で泳いだのは、精神的にはタフだったかもしれません。
それにしても、彼女の才能には感心します。
というのは、エリザベスが属するブルーフィッシュでの練習は、ものすごく「ふつう」のものだからです。ビデオで泳法を分析することもないし、スタートやターンの練習もしません。彼女は朝練習はせず、夕方の4時間の練習だけで、金曜はバイオリンの練習があるから水泳はしません。彼女はおしゃべりなので、練習中にぺちゃくちゃしゃべり出してコーチのチャックに大声で怒鳴られますが、平気でしゃべり続けます。歌い出す選手もいます。「おまえは駄目だ!」と押さえつけられて、「なにくそ!」と倍の努力をする、といった日本的(娘が属していた前のチームのコーチは日本的)な雰囲気はまったくなく、選手同士が競争の雰囲気を作り上げているのです。
こういった自由な雰囲気のチームでエリザベスがここまで速く泳げるのは、彼女が生まれつき天才的なスイマーだからです。彼女の練習を見ていると、早期英才教育やスパルタ式の練習などのばからしさをひしひしと感じます。そして、ロシア人で娘の中学校の数学の名教師の「天才は親や教師、システムがつぶさない限り花開く」という名言を思い出します。エリザベスは水泳が好きで泳いでいるので、チャックのように彼女の長所をそのままのばすことができるコーチが一番なのでしょう。
そんなことを思うオリンピックです。
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