この記事で、SmashwordsのMark Cokerが電子書籍が売れる理由を下記のように端的に表現しています
If we boil it all down to what really matters, it’s about customer experience. People who try ebooks are loving ebooks.
私もまったく同感です。肝心なのは消費者の体験なのです。電子書籍を体験した者は電子書籍が気に入っているのです。
さて、Cokerがteleread.orgに載せたグラフを見ていただくと、米国でのebook(電子書籍)の売上の推移がいかにドラマチックなものかお分かりになるかと思います。
この市場を盛り上げている主人公はもちろんAmazonで、teleread.orgの調べでは90%のシェアということです。そのシェアに食い込むために頑張っているのが、Google, Barnes & Noble, Sony,そしてAppleのiPadなわけです。このグラフを見ていただければ、「電子書籍なんて売れる筈がない。紙媒体のほうがいいに決まっている」といった予言に惑わされず未知の世界に飛び込んでいったAmazonの素晴らしさがわかります。 少なくとも私はそこがAmazonの凄いところだと尊敬するわけです。
これを見て、新たなチャレンジの機会に武者震いするか、「なんとかして紙媒体の文化を守らねばならぬ」と感じるか、それによって個々の出版社の未来は決まるかもしれません。
追記: コメントをいただきましたので、数字について追記いたします。上記の数字は、データを提供した12〜15社(Trade Publisher)の卸売りルートのみのものです。ですから、実際の売上はこれよりもっと多いと思われ、The International Digital Publishing Forum (IDPF)のサイトには、実際はこの2倍ほどある可能性がある、と書いてあります。
eBook市場の90%がAmazonというのは、分母に漏れているものが多すぎる気がする。すると他を含めるともっと伸びていることになる。
投稿情報: Infoerosion | 2010年5 月 8日 (土) 18:33
この数字は、数字を提供した12〜15のTrade PublisherのWholesaleだけですから、全体はこれよりもっと多いと思われます。
元のサイトでは、実際はこの2倍ほどある可能性がある、と書いてありますね。
http://www.idpf.org/doc_library/industrystats.htm
大手の出版社のebookセールスではAmazonが90%だと理解すれば良いかもしれません。
投稿情報: 渡辺由佳里 | 2010年5 月 8日 (土) 18:54
今更書くまでも無いのでしょうけど、それに引き換え日本は…って所なんでしょうね。まぁ、インドに進出している出版社があるし、グローバル展開も盛んですし、土台考え方が2、3周先を行ってる感じですね。
投稿情報: 明石蛸三郎 | 2010年5 月 9日 (日) 05:28
こんにちは。
そうですね。
でも、これを「機会!」と考えて着々と準備を進めている出版社もあります。そういう出版社がちゃんと日本の「読書」の文化を盛り上げてくれると期待しています。
そういう出版社をみんなで応援しましょうね!
投稿情報: 渡辺由佳里 | 2010年5 月 9日 (日) 05:35