トム・ソーヤー、ハックルベリー・フィンなどで有名なマーク・トウェイン(Mark Twain)の自伝が没後100年の今年、ついに出版されることになりました。
トゥエインはなんと5000ページにわたる自伝を書き上げていたのですが、「死後最低100年は出版しないこと」というメモ付きで残していました。その真の理由は学者たちのディスカッションに任せるとして、The Independent紙が挙げているわかりやすい説明は、「知り合いに迷惑をかけない」ことです。でも、私が支持したいのは、「出版を遅らせることで、セレブのステータスが好きだった著者は、21世紀でもゴシップをしてもらえることを確実にした("by delaying publication, the author, who was fond of his celebrity status, has ensured that he'll be gossiped about during the 21st century.")」という理由です。だって、トウェインですから、普通の理由では面白くない。
編集チームのリーダーRobert Hirst博士は(その理由が何であれ)「読者に本を買いたくさせるすべをよく心得ている作家だ("he was certainly a man who knew how to make people want to buy a book'),"」と冗談を言っています。
100年も待たせただけあって、この自伝には彼のイメージを覆すような内容が満載のようです。特に人々が噂しているのが、妻Oliviaが亡くなった後の秘書Isabel Van Kleek Lyonとのスキャンダルです。親密だったのに、晩年の1909年に突然解雇したいきさつを400ページにわたってくどくど書いているというのはトゥエインファンにはショックかもしれませんね。Slutなんて呼んだりしているようですから。でも私は、もしかするとトウェインも晩年アルツハイマー症にちょっとかかっていたのかな、とも思ったりします。温厚だった人が歳を取って「嫁が財布からお金を盗んでいる」とか突然言い出すのって、たいていそういうケースですから。
非常に長いので、自伝は3部に分けられ、最初の1部が今年11月に保管先のカリフォルニア大学バークレー校から出版されるとのことです。
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