先日私は「iPadがKindleキラーであるという意見は 間違っている」と書きましたが、それに似た意見をDailyFinace.comの記事でみつけましたので、私の意見と交えてご紹介しようと思います。
まず、アップル社が発表した土曜日のiPadの売上は約300,000台とのことでした。確かに大きな数字ですが、発売前には600,000から700,000を予想する専門家もいたので、意外と少なめだったというのが私の印象でした。
もうひとつ私にとって予想外に低かった数字がe-booksのダウンロード数です。250,000という数字をあたかも「多い」ように報告しているメディアがありますが、ちょっと待ってください。売れたのが30万台でe-bookのダウンロード数が25万ですよ。ということは、少なくとも5万人はe-bookはまったくダウンロードしていないということです。1人が1e-bookということはないでしょうから、実際にe-bookをダウンロードした人の数はもっと少ないでしょう。
しかも、アップル社は「売れた」とは言っていません。 DailyFinace.comの記事にもあるように、注目するのはアップルが"downloaded" という言葉を使っており"sold"を使っていないことです。どうやらiBookstoreからダウンロードされたのは無料e-bookやサンプルチャプターが多かったようです。Kindleをプレゼントとして受け取った姑がその日のうちに9.99ドルの新刊を3冊買った事実と比べてみると、iPadのユーザーにとってそれで本を読むことはさほど重要ではないと想像できます。ですから、「iPadがKindleキラーだ」という意見にはやはり疑問を覚えずにはいられません。
この記事の"iPad is more suited to the occasional reader than the avid one(iPadは熱心な読者よりもたまに読書する人に適している)"そして"It probably won't kill the Kindle"という意見は、先日の私のブログ記事とほぼ同様です。
また、この記事がリンクしているDear AuthorというブログのiPad10時間体験記が卓越です。彼女も私と同様に「iPad はKindleキラーではない」という結論に達しています。その理由はまず私と共通する「グレア(反射)」と「重さ」が読書に適していないということです。それに加えて貴重なのが(iPadを購入していないし、ロマンスブックを買わない私が知らなかった)「ロマンスブックが買いにくい」という体験談です。なぜなら、ロマンスブックはe-bookのセールス全体に影響を与える重要なジャンルだからです。
DailyFinace.comの記事は、さらにiPadはマスコミが煽っただけでありgame-changerではないかもしれない、と述べています。
iPodは(大量の音楽を保存し持ち運べるという)solutionを与えてくれたデバイスであり、game-changerでした。けれども読書の分野で多くの人にsolutionを与えてくれたのはKindleです。それゆえにe-bookの分野では市場のリーダーになったわけですね。iPadは、e-bookリーダーとしてのKindleの読書体験を根本的にくつがえすようなデバイスではありません。iPhoneが登場してもブラックベリーが消えていないことや、まだまだ多くの大企業がMacではなくWindowsを使っている現況をみても、iPadはe-bookの分野に限って言えばマスコミが煽るほどのgame-changerにはなり得ない、と私は感じています。
けれども、先日書いたようにいろいろな可能性を秘めたデバイスですから、改良されたらぜひ入手したいとは思っています。
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