今年のBook Expo Americaは無料配布の本が少なくて、不況の影響をひしひしと感じさせるものでしたが、こんなふうにブースでのサイン会は盛況でした。
これは、Wiley社のブースで行われた私の夫David Meerman Scottの新刊World Wide Raveのサイン会です。このようにメディアが押しかけてけっこうにぎやかなものになりました。講演をしながらサインをする、というWiley社による新しい試みです。
これは、サイン本を求めて並んでいる人々。
日本に住んでいる人には全くピンとこないでしょうが、アメリカでOprahほど知名度が高いのがセックス・セラピストのドクター・ルースことRuth Westheimerです。
これまでに出した本は40冊近くあり、アイビーリーグ大学でも教えているれっきとした心理学者ですが、最近では自分自身のパロディとして映画やテレビのコマーシャルに出演しているサブカルチャーの有名人でもあります。
そのDr. Ruthが私の夫のサイン会+スピーチに突然現れたのですからびっくり。
81歳の彼女はテレビで見るよりもずっと小柄で、一見「かわいいおばあちゃん」という感じですが、頭脳は私の倍以上シャープです。夫が私を軽く紹介し握手をした後で彼女はちょこんと椅子に腰掛けて夫のスピーチに真剣に聞き入っていました。講演の後で何十人もの人が有名人の彼女に話しかけて握手をしたり写真を撮ったりしていたのですが、そのさなか突然私のほうに近づいてきました。そして、名札も見ずに「ユカリ」とにこやかに話しかけてきたのです。そして「Davidに『スピーチで私のことを話してくれて、ありがとう』と伝えておいて。彼は本当に話が上手だわ」と言って去ってゆきました。10分前にあったことさえ覚えていない私にとって、Dr. Ruthの記憶力は魔術に近いものです。
印象深かったのは、有名人なのに誰にでも暖かく対応するところ。Wiley社のブースに置いてあったミントキャンディーを「握手してください」と近寄る人に「どうぞ」と配っていました。これまで彼女の本を読んだことはないのですが、せっかく夫がサイン本をもらったことだし読んでみようかと思います(でも、ちょっと外では読めないかも)。
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