夫と旅行するとき、レストランを見つけて予約するのは私の役割です。私のほうが食べたいものがはっきりしていて、しかもうるさいからです。スウェーデンやポーランドでもそうでした。
ブエノスアイレスで私が選んだiLatinaは、ブエノスアイレスで人気上昇中の「アンダーグラウンド・レストラン」のひとつです。アンダーグラウンドレストランにはいろいろな種類があり、いろいろな呼び方があるようですが、いずれも表にレストランの看板がなく、全予約制で、少人数対象です。ふつうの家を使っているところも多く、見知らぬ人と一緒に大きなテーブルで一緒に食事、というタイプも多いようです。
iLatinaのシェフSantiago Macíasさんはコロンビア出身。レストランの場所はアルゼンチンですが、コロンビアの伝統的な料理をモダンにしたものが主流です。素晴らしいという噂は聞いていたのですが、体験は期待以上でした。
8コースなのですが、このコースが始まる前に前菜が出てきます。
ハッシュあるいはパンケーキのようなコロンビアのarepasとアニスとトマト味のソースhogao
コース1:ダックのコンフィとキノアサラダ。酸味があるタマリンドソースの組み合わせが最高!
コース2:スパイシーなパイナップルとフェネルが添えられた甘みのあるエビ(Caramelized prawns with spicy pineapple and fennel)
コース3:スパイシーなココナツミルクに浸かったシーバスのセビチェ(Barú style ceviche with season fish, mango biche, coconut and lychee)。コースの中で最高!最後に左のマンゴでお口直し。
コース4:タコのグリルをシーフードスープに浸して食べます。タコのグリルが美味しい!(Peruvian seafood cacerole with grilled octopus)
お口直しのハーブのソルベ(シャーベット)
コース5:コロンビアコーヒーでブレーズし、サトウキビで煮込んだ豚肉。ほどよい甘さでとろける柔らかさ(Braised pork in colombian coffee and sugar cane reduction)
コース6:エクアドルのカカオで作ったチョコレートトラッフル。オリーブオイルと海塩で程よい甘さが引き立っていた。(Ecuadorian cacao truffle with sea salt and olive oil)。写真を撮るのを忘れて、つい食べちゃったという。。。orz
コース7:アボカドとテキーラのアイスクリームにキャラメルポップコーン(Avocado and Tequila ice cream)。アボカドのアイスクリームって、美味しいですよ〜。
コース8:締めくくりはコロンビアコーヒー。シナモンとカルダモンの風味が素敵。クッキーも素朴な味で美味しかったです。(colombian coffee infused with cinamonn and cardamome. Petit Fours)
特に私が素晴らしいと思ったのは、シェフがひとつひとつの食材を良く理解していることと、それらを組み合わせる想像力と直感があることでした。つまり、優れた師匠の真似をするだけではできないことをやり、それが美味しい結果を生み出していることに感心したのです。
また、若い料理人たちが楽しそうに働いているのも印象的でした。
オープンキッチンなので、カウンターに行って中を覗いていると、あちらのほうから声をかけてきてくれます。
ホストとして客がワインを選ぶのを助け、メニューを説明するのは、 Juan Camilo Macíasさん。シェフのお兄さん(もしかすると弟?)だそうです。コースを運んできてくれるたびに、いろいろ話を伺いました。
世界各地でけっこう有名なレストランにも行っていますが、i Latinaの料理はそれらと引けをとらないものでした。このままシェフが腕を鍛えてゆけば(レストランが上手くいって、どんどん試みを続けてゆけれ ば)、世界のトップランキングのシェフになることも不可能ではないと思いました。そうJuanさんに伝えたら、とても喜んでくださいました。
そして、食事の後シェフのSantiagoさんが現れてキッチンに招いてくださいました。そこでスタッフたちと会って記念撮影。
食事だけでなく、そういった体験も含めて、これまででも最高に近いディナー体験になりました。ブエノスアイレスでは安いほうではありませんが、世界のトップランキングのレストランに比べたら安いものです(私たちはワインのカップリングをせずに、マルベックを1本頼みました。それでUSドルにして200ドルちょっと)。
ブエノスアイレスを訪問する方は、ぜひお試しくださいませ。
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