アメリカでは50歳の誕生日をけっこう盛大に祝います。
伴侶のために遠くから昔の友人を呼び寄せてサプライズパーティをしたり、ダンスパーティをしたり、ケータリングをしたり、といった感じです。
私はもう2年前に通り過ぎてしまったし、特別なことはしなかったのですが、そういう「お年頃」ですから招待状はやってきます。ちょっとした試みにはもう驚かないのですが、最近招待された誕生日イベントには驚きました。
なんと、夜のパーティに先立って、日中に「デカスロン」をするというのです。
と思ったら大まちがい。
すごく、真面目にシビアなイベントなのです。
チームは2人から10人まで自由(得点を人数で割ったものがチームスコア)。
全員が次の10種目を3時間程度で終え、高得点のチームには、夜のパーティで賞が授与されます。
場所はハーバード大学(お誕生日ボーイのお父さんは、映画にもなっているハーバード大ボート部の名物コーチ)。しかも、寒いボストンでも、最も寒い1月末!
*持久力競技
1.ジョギング 約3 km (これが一番得意だけれど、地面凍っている可能性大。こわい)
2.ボート漕ぎ(Concept II ローイング・エルゴメーター) 2500 m (ハーバード大のボート部のコーチやその家族知人と、やったことない私では勝負にならんでしょ)
3.ハーバード・スタジアム全セクション昇り降り (プロのアスリートでも、腿がよれよれになる特訓とのこと。もち、私はやったことない)
4.サイクリング(冬なのでステーショナリーバイク) 約 6.5 km (自転車はお尻が痛くなるから嫌っ)
5.水泳 500 m (上記を終えた後に泳いだら、溺れるかもしれない)
*体力/スピード競技
6.腹筋(自転車漕ぎスタイル)2分間でできる回数(「簡単」と言えるのはこれだけ)
7.腕立て伏せ(胸が床から6インチ以内であること)2分間(そこまで低く伏せると、立てなくなる私)
8.懸垂 2分間(懸垂したことがない)
9.100メートル走(100メートルの短距離も10kmの長距離もほぼ同じスピードでしか走れない私)
10.目を閉じて片足で立つ(簡単そうだけれど、目を閉じたとたんにバランスを失う私)
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この企画の意図は、「加齢で心身ともにヤワになっていく我々にはっぱをかけ、シェイプアップするきっかけにする」ということのようです。ちなみに誕生日ボーイは体脂肪7%くらいの超アスリートですから、はっぱをかけられるのは、招待された我々のほう。
休憩しつつトロトロやるのであれば、なんとか全部こなせると思うのですが、これらを連続して3時間以内にやると心臓が止まりそうです。特に、ハーバード・スタジアム昇り降り。これは、誕生日ボーイのお父さんが1960年代にボート部の基礎訓練として始め、それがプロのアスリートにまで広まった有名なトレーニングなんです。やったことはないのですが、プロのアスリートだって泣き言を言うことで有名なんですよ〜。
「1、2セクションはやってみるけど、全部は一生かけても無理かも。途中で挫折したら審判役になって、賄賂受けつけることにしま〜す」とおちゃらけメールしたら、「I'm not sensing a positive attitude, Yukari!(ポジティブな態度が感じられないぞ、由佳里!」とまじに叱られてしまったので、明日早朝に現場に行ってトライしてみようと思います。
兵庫県の田舎で小学生のときに体育の成績が5段階評価の2だった私が、元オリンピック選手やコーチと一緒にデカスロンをする羽目になるとは...。天国か地獄か、よくわかりません。
目標は、とりあえず最後までサバイブすること。全競技でみんなを引き離して最下位にならないこと。
さて、どうなることやら。
追記:なんと、6の「腹筋(自転車漕ぎスタイル)」で優勝しましたよ〜! 総合でも上位に食い込み、カップルでは3位になりました!小学校で一番体育ができなかった子が遊びであれ、オリンピックの金メダリストを破るとは、すごい奇跡。みなさん、あきらめちゃいけませんよ〜。
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