米国でソーシャルメディアを中心に活躍しておられる立入勝義さんから「検証 東日本大震災 そのときソーシャルメディアは何を伝えたか?」をお送りいただきました。
実は私も短いながらメッセージを寄せています(115ページ)。ほかの海外在住の方々のメッセージに比べてネガティブな部分を強調していますが、異なる見解があるのも良いのではないかと思っています。
著者の立入さんからメッセージの依頼があったのは5月上旬のことでした。それなのに6月16日に刊行というのは驚くべき速さです。通常編集作業には時間がかかるものであり、それにはちゃんとした理由があるのですが、こういったテーマの本の場合にはスピードが重要です。質とスピード両方のニーズに応えるのは難しいことですが、立入さんは限られた時間内に非常に濃い内容のものをお書きになったと思います。日本や米国だけでなく、韓国や台湾を含めて世界各国のソーシャルメディアの情報も網羅されていますし、実際に取材もされています。ディスカヴァー・トゥエンティワン取締役社長の干場弓子さんの「社長室ブログ」にも詳しい内容がありますので、ご参照ください。
特にこの本を読んでいただきたいのは、主にテレビから情報を得ている日本の方です。震災後にソーシャルメディアでどのような情報が飛び交ったのか、そして海外ではどのような情報が流れたのかをまず知っていただき、そのうえで、今後の日本のために必要なことを知っていただきたいと思うのです。
情報公開を求めるうえでも、市民の意見を政治に反映させるうえでも、個々の市民が情報リテラシーを持ち、コミュニケーションのスキルを鍛えることが重要です。そのヒントが沢山集まっている本です。228ページの「これまでマスコミの情報を鵜呑みにしすぎてきた感のある日本人にとって、ソーシャルメディアを駆使して情報を得ることは、ひとつの挑戦すべき課題になるのかもしれない。」に含まれているメッセージは重いものなので、ぜひ読み飛ばさないようにお願いしたいものです。
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