この内緒の散歩道を公開すると、近所に住んでいる姑の友人が嫌がると思うのですが、日本人の方が押しかけることはないと思うので教えちゃいますね。
Nantucket島の最東端にあるSeasconset(スコンセットと発音します)という可愛らしいビレッジがあります(地図のAの場所です)。捕鯨が盛んで世界で最も裕福だったころには夏の間漁師が滞在する小屋が並んでいた場所でした。
捕鯨がすたれたあとしばし経済的に落ち込んだNantucketですが、ボストンやニューヨーク市のお金持ちの保養地として生返り、漁師の小屋はファッショナブルな夏のコッテージになりました。
Seasconsetゴルフクラブは昔からの住人が優先。どんなにお金持ちでも有名人でも飛び越して会員になれないというもので、かえって羨望の的なのだそうです(私はゴルフをしないのでどっちでもいいのですが)。
そういうことで、現在この村は維持費だけで年に1億円くらいかかる別荘が立ち並ぶ高級地でもあります。
私たちがよく楽しむのは、そのお金持ちの裏庭を突っ切る散歩道です。
彼らの裏庭と海の間にある土地は島の公有地であり、誰にでもアクセスする権利があるのです。そこで、私有物の裏庭に足を踏み入れず、住民の邪魔をしないというエチケットに従うことを条件に散歩をすることができるのです。
最近のオーナーたちはこうして散歩道と裏庭の間に植木の壁を作るようになりました。その気持ち、わかります。
ビーチは公有地なのですが、ビーチへのアクセスは私有なのです。だからこのゲートより先はPrivate.そして、そこから下のビーチを見下ろすとこんな感じ。いくら公有地といっても一番近くのビーチから歩くとけっこうな距離があるので、ほぼプライベートビーチと同じですね。
下はまるで秘密の花園のようなイメージのリンゴの木のトンネルです。
もちろん宣伝はしていないので、この道を知っている人はさほど多くはありません。一番上の写真の道(これは有名)を最後まで行って、そこを右手に入り込むとこの道があります。
この道を訪れるチャンスがあったら、エチケットを守って美しい風景と豪邸(といっても地味にするのがこの島の美感です)の見物を楽しんでみてください。
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