「ジミー・ペイジとU2のジ・エッジ、ジャック・ホワイトの3人を同じ場所に集めたら面白いだろうなぁ」という発想は抱くのは簡単ですが、それを実現してしまったところがこのドキュメンタリーフィルムのすごいところです。
3人が引き受けた条件はスクリプトなしで自由にさせてもらうということ。その影響でフィルムにはちょっとまとまりのない感じがありますし、It Might Get Loudというタイトルから期待されるほどLoudにならないのが残念です。けれどもそんな欠点を差し引いても、見応えがあるフィルムでした。というのは、彼らのミュージシャンとしての素顔が透けて見えるからです。
この3人の年齢差はちょうど15才くらいなので、3つの異なる世代を象徴しているだけでなく、ミュージシャンとして人生のどの地点にあるかも異なります。34歳のホワイトはまだまだ毒も刺もありますが、65歳のペイジは悟りを開いた賢者の雰囲気が漂っています。48歳のジ・エッジはその中間でちょうど私の年代。尖ってもいないし枯れてもいない感じが素敵です。性格の差とギターのひきかたの差も感じます。
3人が会ってからの場面よりも、個々の音楽的な背景を語る部分が多く、それが不満な評論家もいるようですが、私は十分楽しみました。ヤードバーズやツェッペリン時代のフィルムなどは、懐かしさについため息が出ます。
ホワイトの天才的な音楽のセンスも印象的でしたが、やはり私はペイジにうっとり、でした。またツェッペリン聴きたくなりました。
残念ながら大きな映画館では上映しておらず、アートハウス専門です。
ボストン周辺では以下の2つの映画館のみです。
Kendall Square Cinema
1 Kendall Square, Cambridge, MA - (617) 499-1996 - Map
West Newton Cinema
1296 Washington St, West Newton, MA - (617) 964-6060 - Map
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