共和党大統領候補ジョン・マッケイン(マケイン)のキャンペーン事務所は、副大統領候補のサラ・ペイリンの長女(17歳の高校生)が妊娠5ヶ月であり、相手の男性(Levyという名前だけを公表)と結婚する予定であることを発表しました。(左はサラ・ペイリンの長女のブリストルとダウン症候群がある末っ子のトリグ)
民主党大統領候補のバラック(バラク)・オバマは、候補の「家族、特に子供について(のゴシップ)は(選挙戦で)オフリミットであるべきだ」という意味の声明を発表し、家族のスキャンダルは大統領選に使われるべきではないという立場を取っています。私も通常はそれに賛成します。
しかし、ペイリンの娘の妊娠は、政治的にマッケインとペイリンに対して次の2つの重要な疑問を投げかけます。
一つは、ペイリンのキリスト教原理主義としての立場です。彼女は、学校での性教育や避妊具の提供に反対で、結婚まで性交渉をしないという「禁欲教育」を強く支持しています。同性愛反対、結婚までの禁欲、中絶反対、をそれを信じていない他者にまで押しつけるキリスト教原理主義者の家族がこのうちの一つを破った場合にそれをたやすく許容するというのは、偽善的だと非難されても仕方がないと思うのです。
もう一つは、マッケインの決断力です。
副大統領を発表する前日の木曜日まで、彼は古くからの友人で元民主党副大統領候補のジョン・リーバマン(現在無所属)を副大統領に選ぶつもりでいたのです。ですが、プロチョイスで元民主党のリーバマンを選んだ場合に共和党大会が分裂することを恐れるキャンペーンアドバイザーの猛反対にあい、時間切れでたった一度しか会ったことのないプロライフのペイリンを選んだことが明らかになってきました。
マッケインはこれまでオバマの「経験不足」を攻撃してきましたが、18ヶ月に及ぶキャンペーン中にヨーロッパや中東を訪れているオバマに対して、いっぽうのペイリンはアメリカ国外に旅行したことは1度か2度しかないのです。
副大統領候補をこのような雑然としたプロセスで選んだマッケインに、大統領に必要な決断力があるのかどうか。心ある共和党員は、彼に大きな失望感を覚えているようです。
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