H.I.M. - The Funeral Of Hearts
今日は日本ではあまり知られていないフィンランドのバンドをご紹介しましょう。
HIMの魅力は、まずはリードヴォーカルのVille Valo(ヴィレ・ヴァロ)のルックスとディープな声でしょう。(潔いくらい自己認識ができているナルシズムとデッドパンなユーモアのセンスも重要な要素)。このキャラクターとフィンランド特有の物語性が強いメランコリックなメロディにブラック・サバスの影響を受けたメタルが融合した独特のロック(Villeは、ラブメタルと呼んでいます)が、いまだに日本で流行っていないのが不思議です。
Ville Vallo (HIMの公式サイトとMy Space)
HIMは祖国フィンランドでは英雄扱いされていて、ドイツでの人気も異常に高いバンドですが、なぜかアメリカ合衆国ではさほど知名度が高くありません。
2007年にLinkin Park が率いるProjekt Revolutionに参加し、私もマサチューセッツ州のマンスフィールドに見に行きました。しかし、残念なことながら、Ville Valoのコンディションは最悪だったようで、肌のきめと色が悪く、不機嫌で、このライブでの印象は良くありませんでした。(私は一番前の中央で見ていましたから、そういう細かいところまでよく見えたのです)
歌っている最中もチェーンスモーキングを続けることでは知られていますが、そのためか声量が少ないように感じました。声がほとんど聞こえないのはミキシングのせいでもあったようで、Ville はステージの横を見て、マイクの音量を上げるように苛立ったジェスチャーを繰り返していました。ヨーロッパでのコンサートビデオなどを見るとジョークは言うし、笑顔を見せるし、観客と一体になるよいライブをするバンドらしいので、本当にがっかりしました。
ファンの娘に言わせると、「ヨーロッパでは、彼らのためにみんな集まるんだよ。フィンランドから熱いアメリカを何ヶ月もツアーして、しかも他のバンドのために集まったファンの前でたった40分だけ演奏するのは、誰だって嫌だよ」ということで、次はぜひ小さなホールで体験したいバンドです。
おすすめは、"The Funeral Of Hearts", "The Wings Of a Butterfly", "Killing Loneliness"," Kiss of Dawn" などですが、私の個人的なナンバー1は、"Sleepwalking Past Hope"で、最近のロックには珍しく、10分の長い曲にはちょっとしたひねりがあってなかなかクラシックです。
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