4月7日、オリンピック水泳競技で8つの金メダルを獲得したMichael Phelps(マイケル・フェルプス)の母親が書いた回想録「A Mother for All Seasons 」が発売されました。
私の娘はかつてオリンピック選手がいるチームで泳いでいましたから、親として私も水泳の世界の裏側をけっこう知っています。(娘と同い年のチームメイトの女の子は、フェルプスと同じレーンでウォームアップしたときにわざと蹴られ、それ以来フェルプスが大嫌いになったと教えてくれました。)水泳の世界では、子供もそうですが親の競争心も相当なものです。子供の人生にどっぷり浸って、他が見えないという感じです。親の世界でもチャンピオンはMichael Phelpsの母親でしょう。私はあの世界から足を洗えてほっとしていますが、どういう世界かを知りたい人にはそれを覗き見するよい機会かもしれません(たぶん、明るい部分しか書いていないでしょうが)。
たぶんわが子をオリンピック選手にしたい親に売れると思いますが、「才能がない子は親がどんなに頑張ってもオリンピックには行けない」ことは忘れないで欲しいと思います。私が尊敬するロシア人の数学教師の名言はこうです。「本当に才能のある子はシステムが殺さないかぎりは才能を発揮する」。マイケルの母親の優れたところは、システムがマイケルの才能を殺さないように、激しく彼を守ったことなのでしょう。今、マイケルが直面している問題は、最大の目標を達成してしまった虚無感だと思います。このタフなチャレンジに母親がどんな援助をできるのか、そっちのほうが私は興味がありますが。
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