米国から入ってくる電子書籍に関するニュースに、「アマゾン対エージェンシーモデル」といったものがあります。米国の出版界には、エージェンシーなるものが存在してややこしいこともあり、日本に住む人にはなかなか想像しにくいところがあります。
たとえば、先日話題になった文芸エージェントのアンドリュー・ワイリー(Andrew Wylie)とランダムハウス社の論争です。まず、ワイリー氏が、自分の契約している作家のバックリスト(過去の作品)を、自社のOdyssey Editionsからアマゾンで電子書籍として販売すると発表しました。しかし、電子書籍というものが存在しなかったときに出版された古いタイトルでは、誰にその権利があるかが論争の的になることが明らかです。ワイリーエージェンシーの動きに憤ったランダムハウス社が、「今後はワイリー・エージェンシーと仕事はしない」と宣言したのですが、のちに両社は話し合いで合意に達しました(Daily Financeより)。
こういったニュースによく出てくる、誰の取り分が何%で、それがどんな意味を持つのかは、日本人には分かりにくいのではないでしょうか?というより、米国人で、しかも作家本人ですからよく分からないのが実際のところです(私も夫の支払い明細をいくら読んでもよくわからないというややこしさ)。
ですが、出版コンサルタントのMike Shatzkinが彼のブログThe Idea Logical で非常に分かりやすいリストを作ってくれました。上記のニュースも考慮に入れ、25%と40%のWhole SaleモデルとAgencyモデルを付け加えてくれているのが嬉しいところです。これが必ずしも正確とはいえないと思いますが、相当近いと考えて良いのではないかと思います。
最近のコメント