最近、Amazon.comの読者レビューでの奇妙な現象に気づきました。
レビューの9割程度が★★★★★で残りの1割が★、というものや、ハードカバーの評価が平均★4.5くらいなのに、Kindle版が100%★ひとつ、というものです。
極端な例が、今週ニューヨークタイムズベストセラーに入っているKristin HannahのTrue Colorsです。左がハードカバーで右がKindle版です。それぞれのページで★数を比べてみてください。
Kindle版で★ひとつの評価を見ると、100%が「Kindleバージョンの価格がこんなに高いのはどういうことか!」という怒りの投票であり、作品に対するものではないのです。(中には、「これより高い価格で買った」という人もいるので、最初がいくらだったのか知りたいところです)
新刊のハードカバーが25ドルなのに対してKindle価格はこれまで9.99ドル以下と安いことが魅力でした。そのためにけっこう高いKindleそのものの購入を正当化した人はけっこういると思うのです。Kindleがだんだん主流になってきたからといって、値上げをすると反逆が起きるということを、出版社と作家は心得ておく必要があります。でないと、「この本は評価が低いから買うのをやめよう」とかえってセールスが減ることになりかねません。マーケティング失敗の良い例です。
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