著者のヘンリー・クラウドは、「境界線(boundaries)」のコンセプトで有名な臨床心理学者であり、コンサルタントであり、ベストセラー作家でもあります。根底にキリスト教の教義に基づいた考え方があるのですが、それを前面に押し出すところはありません。
この本は、職場の人間関係がうまくゆかない原因を解説し、その解決策を提案しているもので、いずれも納得できることです。でも、日本の方には「目にウロコ」かもしれません。とくに、「どこから自分が始まり、どこから他人が始まるのか」という「境界線」について認識し、それを生活の中で活かすのは、日本人にとって慣れない感覚でしょう。だからこそ、読む必要があるのではないかと思います。
日本の心理関係のハウツー本に比べると、とても読み応えがある内容です。
下記はアマゾンにある作品説明です。
タライ回しの仕事がなぜか自分のところで止まる、上司は気難しいし、同僚は調子ばかり良くて無責任、仕事の効率アップの環境は整っているのになぜか仕事は一向に減らない……。こんな職場環境では、身も心も煮詰まってしまいます。
解決策はひとつ。「いま自分が力を入れたいこと」に全力を傾けられるよう、状況に応じてギアチェンジすることです。周囲に流されることなく、自分の能力を最大限発揮できる配分で仕事をすれば、働く満足度は高く維持することができます。
本書は、職業人としての生活の様々な場面において「自分の軸をしっかり持つ」とはどういうことか、職場での人間関係や仕事の切り盛りのノウハウから精神面のケアまで、実践的な方法を伝授します。
米国でベストセラーになったFive Love Languagesシリーズのひとつ、The Five Love Languages of Childrenの邦訳版です。
この本もキリスト教の教えが根底にあり、聖書の引用も出てきますが、内容は普遍的なものです。
娘が18才になった今振り返ってみると、ここに書かれていることが具体的に浮かんできます。日本の方には「スキンシップ」に違和感を覚えるかもしれませんが、私は米国に住んでいるのを言い訳に、毎日娘に「I love you」と言い、ハグをしています。慣れるとこれは、子より親が嬉しいものです。子どもがうれしがる幼いときに始めると、おおいにお得ですからおすすめします。
また、「怒り」への対処の仕方、子どもの人格を尊重するところなども、キリスト教信者ではない私でも気をつけてやってきたことです。
これらのことは知っていて損はありませんし、参考になります。自分なりに「愛を伝える方法」をあみ出すためにも、ぜひお読みいただきたいと思います。
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